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なんで俺がこんな目にというか早く帰って勉強しないといけないのになんなんだよ汗かいたから風呂も入りたいし何より小鳥遊さん邪魔退けあほばかと内心うんざりしつつ、
結局、
………はぁと長い息を吐いた。
「……わかった。わかりましたから。」
「え、」
そんな小さな歓喜の声を漏らす小鳥遊さんから、ぎりぎりにでも顔を遠ざけようとする。
ガリガリガリ……!!なんて音を立てながら頭が壁とぶつかってプレスされそうだ。
「だからそのうざったい顔を近づけないでください。気持ち悪いんで。」
「…嘘だろ?俺の顔をみて、そんな」
「本当に、気持ち悪いんで…!!」
冗談じゃない。嘘じゃない。本気だ。
全身全霊で拒否の態度を示すと、何故か小鳥遊さんが口元に手を当てて、驚愕というか信じられないものを見たというか…とにかく驚いたような顔をしていた。
そして、にやりと何故か嬉しそうに口角を上げる。
「…やべえ。ショック過ぎて、逆に橘くんが可愛く見えてきた。もっと罵ってみろよ」
「ドMか。」
おかしい。この人絶対頭おかしい。
「うわ、きも。怖…」と呟くと、笑った小鳥遊さんが首を傾げる。
ぜんっぜん可愛くない。
「橘くん、知ってる?」
「…何をですか」
もういいから離れろ変態、と最早敬語でもなくなった呟きに何故か嬉しそうに微笑んだ小鳥遊さんが、口角を上げる。
……獲物を捕らえた虎のような瞳。
(これは、まずい…気がする)
あるアパートの一室の前で壁ドン?というものをされ、一般大衆からは背の高い小鳥遊さんの身体とその影に俺の姿はほとんど隠されている。
……そして、何故か異様に顔が近い…この状況。
いや、でもまさかそんななんて心の中で否定している一部が殴ろうと拳を握る自分を制御する。
……でも、
「……っ、」
怪しく光る切れ長の瞳から
目を、逸らせない。
そして、その形の整った唇が開くのを、みた。
「空腹時って、性欲が強くなるんだって」
「…は?」
ここで、冒頭に戻る…と悠長なことを言っている場合でもなかった。
(今、なんて言った………?)
性欲……?
「……はは…なにを、言…っ、?!」
「もう、限界――…」
制服のネクタイをぎゅ、と掴まれて、身体を引き寄せられる。
首が締まって、呼吸が出来なくなった瞬間に強く唇を塞がれた。
「ッ?!…っ、ふ、…っ、?」
息を吸おうと口を薄く開いた瞬間、その隙間から舌が忍び込んでくる。
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