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…小鳥遊さんが最近忙しいらしい。
一緒にいる時間が凄い減った。
バイトをするようになってから、毎日小鳥遊さんの部屋でご飯だけじゃなく家事もしてるから、ほぼ同居状態みたいになっていて。
だからなんか少しだけ…物足りないというか、
あの亀甲縛りの人と一緒にいるのをよく見るから…もしかしていい感じになってたりするんだろうか。
俺に可愛いとか言ったり壁ドンしたりするってことは男もイケるんだろうし。ありえないことじゃない。
(…前は鬱陶しいくらいに俺に構ってきた癖に)
「…小鳥遊さんのばか」
「え」
久々に仕事が休みらしい小鳥遊さんにお菓子を餌に呼ばれて、「野菜炒めが食べたい」というから仕方なく作ってあげることにした。でも料理してる最中に後ろから抱き締められたりして、…揶揄うのもいい加減にしてほしい。
(…この人にとっては単なるスキンシップなんだから)
気にするな意識するな。
そっぽを向き、隣でソファーに座って寛いでいる人間に再び暴言を吐く。
「ばかアホ変態」
「ええ…」
こんな変人の言動に一々惑わされてたまるか。
「…俺も彼女欲しい」
「え、ちょ、いきなり何」
「……」
「…何かあった?」
不意に真剣な表情になって顔を覗き込んでくる。
…心配してくれているらしい。
エリザベスを抱きしめて顔を隠しつつ、ぼそりと呟いた。
「…最近前ほど構ってこなくなったじゃないですか」
確実に頻度は減った。
「なのにあの亀甲縛りの男の人とはよく一緒にいる、から…」
「……」
…どっちかというと小鳥遊さんが一方的にあの人で遊んでた感が強いけど。
言いたいことが纏まらず言葉を濁すと「…それで?」と優しい口調で促す声。
「なんかムカつく…というか…」
ごにょごにょと口籠っていれば、俺を見る顔が段々緩んでいく。
あああやばい恥ずかしい。
「…へぇ」
「…な、何ですか」
「やきもち?」
「っ、違います」
動揺して、反射的に否定した。
「へへ、嬉しい…」
「…む、」
違うといってるのに、小鳥遊さんは凄く幸せそうな表情で抱きしめてくる。間でぬいぐるみがむぎゅっと潰れた。
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