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粗相をしたばかりのペニスの先端を扱く。
尿で濡れた直後だからにゅるにゅると指が滑っていく。
手に触れた液体が生暖かい。
「…ッ、ひ…っ、」
今出したばかりのソコを触られて、カッとその耳が余計に赤くなった。
尿道口に指をぐっと入れると、とろとろと中から白濁液か尿かどっちかわかりにくい液体が零れてくる。
「……ぁ、っ、」
唇を噛んで声を抑えようとしているらしい。
血がその唇に滲む。
優しく、焦らすように性器全体を扱いていると、唇を噛んだままふるふると快感に全身を小さく震えさせていた。
既にべっとりとしめって肌に吸い付いている目隠しはもう色を濃くできる場所が残されていなかった。
しばらくそうしていると硬度を取り戻した性器がまた欲を吐き出す。
その瞬間だけ恐怖が一瞬薄まるのか、気持ちよさそうに熱い息を漏らしていた。
不意に、…視線をずらす。
一瞬ためらって、その尻に触れた。
それから
……グチュ、
「…っ、ひ…ッ、や、」
濡れた指を後孔に差し込んでみる。
数日前までは、挿入することすら痛がっていた場所。
…今ではその狭くて温かいその場所は、異物を締め付けるようにヒクヒクと動いていた。
奥まで誘うようにうねっているから、そのままゆっくりと人差し指の根元まで挿入する。
「…っ、ん…ッ、んぅ…ッ、」
内壁を擦り上げるように挿入した指を動かすと、ペニスを弄っていた時より一段と喘ぎ声に熱がこもった。
…その反応が、前回僕が見た時よりも尻に指を入れることに慣れてきているように見えるのは気のせいだろうか。
もっと痛がるかと思ったんだけど。
「…っ、や、や…、だ…っ、」
けどそんな感じている身体とは裏腹に、本気で犯されると思っているらしく、掴んだままの足をバタバタと動かして逃れようとした。
ゆるゆると指を内壁に擦りつけながら、思う。
「………」
…もし僕が本当に男好きの犯罪者だったら、佐藤なんか簡単にレイプできる。
笑うより容易な行為な気がした。
相手が喚こうが泣こうが関係ない。
嫌がったらぼろぼろになるまで殴って、孔なんか解さなくても無理矢理突っ込んで、その身体が使い物にならなくなるまで犯していたんだろう。
実際にそうなったら、佐藤はどんな顔をするのかな。
「…犯してやろうか」
低い声を漏らし、わざとジッパーを下ろす音を立てる。
「――…っ、!!ぁ、あ、すみ、ませ、ごめ、なさい、」
あおむけにして、足を広げさせる。
必死に逃げようとしても、開かせた状態で縛ればもう閉じることすらできない。
これからされるだろう行為に慌てて真っ青な表情でふるふると首を振り、涙を散らした。
先端を宛がえば、怯えているような表情で何度も何度も首を横に振った。
「ぁ、ひ…っ、何でもしますから…っ、ゆるし…っ、」
「……」
小さな孔。
ただ排泄をするためだけのもので、こんな長太いものが入るなんて到底思えない。
そこに押しあてたモノを掴む手に、力を入れる。
ずちゅ、ぬぷぷ…
「…っ、゛、ぁ、ぃ、だ…っ、…っ、!ぁ゛ぁ…っ、!!」
見るからにヒクヒクと疼いていた孔に、ほぼ人間のと同じ温度、硬度、大きさのディルドを差し込んでいく。
佐藤にはこれが本物か、玩具かなんて違いはわからないだろう。
本気で怯え、涙を流していた。
「う、う…っ、やだ、ぁ…っ、」
けど、言葉の割に、身体はビクビクと震え、先端から少しずつ飲み込んで受け入れている。
飲み込まれていくのと同時に、見えなくなっていく玩具の形。
挿入が深くなるたびに、佐藤の身体がのけぞり、跳ねる。
まるでセックスしているかのように抜き差しを繰り返すと、萎えたペニスが徐々に硬度を増してくるのが見えた。
…結局感じてるんじゃないか。それか、あの時に”そうなる”ようにされたのかな。
「…っ、ごめ…っ、ごめ…っ、なさ…っ、ぃ゛…っ、」
悪いことなんかしてないのに。
目隠しを濡らしながら震える声で懇願する佐藤を見下ろして、嗚呼、やばいな。と思う。
その顔で泣かせているのが自分だということに、擽ったいようなゾクゾクするような…異常な感覚が胸を締め付けてきた。
「……っ、の、らぁ…ッ、」
「……、」
自分を呼ぶ声に、ぴたり、と動きが止まる。
「…おね、が…っ、…たす、け…っ、」
「……」
(…なんで、そこで僕を呼ぶんだよ)
誰か、じゃない。
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