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昔から…この感覚だけは薄れることがない。


「泣いてる佐藤の顔って、案外嫌いじゃないんだよね」

「…っ、?!!!」


…ペットみたいなものだからかな。

そんなことを考えながら、赤くなったり青くなったりと忙しい顔から視線を逸らした。


「後ろ向いて」

「ぎゃ、」


向いてと言いつつ、縄を掴んで無理矢理後ろを向かせる。
雑に回転させたせいで、顎を床に打ち付け、尻を突き出すというAVのような姿勢になっていた。


「わ、わわ…っ、」


といっちょまえに尻穴が丸見えになって恥ずかしがっている佐藤を後ろ手に拘束した紐をカッターで切る。

パサリと解けていく縄。
散々擦れたせいか、縛っていた場所に赤い蛇のような跡が残っていた。
見ようによっては美しい線。


胸板から腹筋辺りにかけて微かに残っている紅を指先でなぞってみた。


「痛い?」

「い、いや、そんなに…ん、ふ…っ、く、くすぐ…っ…た…ッ、」


背筋を反らして身体を震えさせている。


「…何気持ち悪い声出してんの」

「い、厭らしい触り方するからだろ…っ、…じゃなくて!!さ、ささっき…っ、さっき、きらいじゃないって…っ?!」


…と、それどころじゃない!と動揺を顔に露わにして、バッと胸元を掴んで顔を近づけてきた。

せっかく締め付けから解放されたというのに、そんなことは意識の外らしい。

ぱくぱくと無意味に口を動かしている。
…さっきの、とは聞かなくてもわかるけど。

どう答えよう、と迷って、結局凄く淡白な返事をした。


「大した意味はないよ」

「え?!!ちょ、ちょっと待っ、ぎゃ…っ、」

「うるさい」


不機嫌にむ、と眉を寄せ、放ってあったTシャツをがばっとその騒音機に被せる。


「わぎゃ…っ、ふん…っ、」


突然視界を覆った白い服に驚きながら慌てて頭を穴に通し、スポッと顔を出す佐藤犬。

そしてその口が文句を言おうと開かれる前に、もう一度抱き寄せた。


「……」

「…っ、う、…う」


抱き締めた途端、そんな上擦ったうめき声が聞こえる。
…うぐ、とまるで苦しそうな声を出した。
けど、その原因はきっと背中に回した腕がぎゅうと佐藤を抱き締めているからじゃない。
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