野良の寝言と寝込み(佐藤ver)
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むぅ、と俺…佐藤悠太は現在猛烈に悩んでいた。
…それは、つい先日の”僕が佐藤を好きになるように頑張って”というお言葉通りに「好きな人をドキドキさせちゃおう☆」という雑誌から学び、
野良を萌えさせるために猫耳をつけて料理をしていたら「犬耳がいい」と自動で動く耳をつけられたからではなく。
…また、つい先日「可愛い彼女にあの人もメロメロ♂」という雑誌によって、
女装かつ可愛いメイクをし、友達にも協力してもらっていかに可愛く見えるかを研究した結果編み出した仕草で
「おかえりだにゃー」なんて言葉だとともに待ち伏せていたら
「可愛くない。犬じゃない」とやっぱり犬が良いらしく、どんだけ犬が好きなんだと言いたくなるぐらい不機嫌な顔をされた挙句、その後ぞんざいに扱われ過ぎて、友達にも結構可愛いって言われたのに一言も感想言ってくれないのは酷い、と泣きそうになったとか、
…そういうことではなく、
今、目の前で事件は起こっていた。
真夜中、午前1時。
俺の部屋。
「……ん…」
寝息まじりの声。
整った鼻筋。
閉じられた瞼。
嫌な夢でも見ているのか、その端整な眉がぐぐ、と中心に寄る。
ということからわかるように
…なんと、
(……俺の好きな相手…つまり、野良がベッドで眠っている…のだ。)
「…ごくり」
このラッキースケベし放題なシチュエーションに、唾を飲みこまずにはいられない。
「眠い…もう無理。限界」と昨日突然家に遊びに来てご飯を食べ、
俺のソファーで怠そうに長くすらっとした脚を組みながらこれまた優雅にTVを鑑賞し(俺のマッサージ付き)、
飽きたらシャワーを浴びて、やることは全てやり終えた直後、
あまりにも疲れすぎていて帰るのが面倒くさいという理由で
「貸せ。僕はもう寝るから。おやすみ」
と滅茶苦茶眠いらしく機嫌の悪さMAXな口調と乱暴さでベッドを奪われ、ぐーっと眠ってしまわれた。
や、これもよくあることなんだけど。
……でも、好きだって告白して以来、初めてだった。
そもそも、当たり前だけど起きている時では絶対こんな姿にはお目にかかれない。
クラスの奴らは見たことさえないだろう。
「…………、」
しかも野良がねてるのって、
「…俺のベッド、っていう…」
はぁと息を吐いて、前髪をくしゃりとかきあげた。
…あまりにもいつも通りで調子が狂う。
危ない狼に襲われるかもしれないとか考えないのか。
警戒心が皆無すぎる。
「……ほんと、襲われても文句言えないぞ」
…ただでさえとてつもなく整っている顔だちに加え、いつもはこれでもかって程ツンツンとした冷たい表情を浮かべるから余計に普段大人っぽく見える顔は、今では酷く幼い無防備な寝顔に変わっていた。
「…ん…」
その微かに開いた唇から零れる寝息が、なんとも色っぽさを増して…
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