それから(佐藤ver)
***
気持ちがばれたとわかってからは、過剰に意識してしまう。
当然ながら、それをうざったく思った野良が眉間に皺をよせ、呆れたように溜息を吐いた。
「…で、佐藤は僕とどうなりたいの?」
「ど、どう、って…?」
「僕としては、今まで通りにしたいんだけど」
”今まで通り”という野良の言葉の意味はわかる。
気まぐれに俺の家に来ては作ったご飯を食べ、適当に一緒に過ごす。
俺としても寂しさが和らいで居心地が良くて、安心感のある空間。
…それが、あの日をきっかけに俺だけが露骨に変えてしまった。
ソファーに腰かけている野良にじとっと睨まれ、怯む。
「…き、気づいてたのか…」
「気づかないふりをしようとしてたけど、できないぐらい酷い」
「……」
「前も言ったけど、佐藤とは付き合わないよ」
言う間もなく返ってきた拒否に、気分が沈んだ。
けど、…野良の考えてることをしてほしいわけじゃない。
そういう関係になりたいわけじゃない。
ただ、
「…忘れられないんだ」
ぽつりと零した言葉が、自分自身に重くのし掛かる。
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