…当然だ。
皆さっきいた店でこれでもかってほど酒を飲みまくり、それだけではつまらないとその足でカラオケに来て、べろんべろんに酔っぱらっているのだから。
…ここにいるほぼ全員が、意識がはっきりしているかどうかすら怪しい。
(……だから、かな。)
頭が酷くぼんやりとし、この行為に対する恐怖は不思議と感じなかった。
「…くび、…いてーよ、」
「なら、外してみれば?」
首を鷲掴んでいる指に、手をかける。
外そうにも、自分の首とぴったりくっついていて剝がせそうもない。
じゃあ、手首は、とそこを掴むも驚くほどびくともしなかった。
「はは、あがいたって無駄だよ。久遠が俺に力で敵うわけがない」
「っ、ぃ゛、」
「……ここが動脈かな」
ピンポイントにその場所を指で押さえられ、首に増す違和感が今言われた言葉通りであることを証明していた。
ドクドク、とただでさえ酒のせいで速い鼓動が、余計に速度を増す。
……今まで全然関わったことないのに。なんで、成瀬は俺にこんなことをするのか、と頭の隅で考えた。けどそれもほとんど気にならない。
…というより、成瀬も俺と同じように酔っているはずなのに、この力はどこから来るんだろう、とそんなことが気になった。
「……ぁ、」
息が漏れる。
……突然、ふ、と首を絞める力が消えた。
酸素が戻る。
目を瞬き、どう反応したものかとそっちを見れば、手を離した成瀬が楽しげに微笑んでいた。少し物足りなさそうに、けれど満足したような顔で。