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音に従って咲人の視線が、向けられる。
「――……」
ほら、やっぱり。
…目が合った瞬間、さっきまで冷めた表情だった彼の頬が、緩む。
華が咲いたように、優しく、甘く…思わず見惚れてしまうような微笑みを浮かべ、腰をあげた。
待ち望んでいた人に出会えたと、わかりやすいほどに変わる雰囲気。
こっちに向かって歩いてくる咲人を見上げて
あと少し、少しで愛しい身体に触れることができると手を伸ばす、
「咲、」
「――夏空様、来てくださったのですか」
けど、手は無視され、すぐ隣を白衣を身に纏った彼が通り過ぎていった。
(…え…?)
愛しい彼の香りとともに撫でる風によって、咲人が私を視界にもいれていなかったことを気づかせる。
「だから、学校では夏空様って呼ぶなって、」
「ああ、そうでしたね。音海くん」
…鉛の身体を動かし、やっとのことで振り向く。
音海君に声をかけられるとわかりやすく顔を綻ばせ、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
慣れたように頬に触れ、…そうすれば、照れた表情で視線を逸らす音海君に、満足そうに、優しく愛おしげに目を細める。
…どう見ても、教師と生徒という枠を、…それ以上の別のものさえ超えているとしか思えない空気のその二人に
「……」
何よ。これ。
氷水を浴びせられたような気分に落とされ、抹消から血の気が引く。
(…無視、された…?)
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