15
***
数日後、少しだけ良くなった身体を動かし、今はソファーで横になっている。
今さっくんはオレが希望したプリンとか、他の食材を買いに外に出かけている。
居間にまで来ているのはさっくんには秘密だ。
本当は危ないからベッドから動くなと言われていた。
この数日間、自分で歩けるって言ったのに、トイレに行くのもお姫様抱っこで連れていかれていたから余計に筋力は皆無に等しい。
「……」
結局、聞けなかった。
さっくんの様子がいつもと違う理由も、何も。
…むぅと唸る。
と、
ピンポーン
家のチャイムが 鳴った。
「え、あ、ど、どうする…」
前に、さっくんが家にいないときは出るなと言われたのを思い出す。
…でも、もし宅配便とか大事な用だったらさっくんが困るもんな。
(変な人そうな感じだったら無視しよう)
そう決めて、こっそりとインターホンを覗く。
「吉野…?」
画面には、見慣れない茶髪の学生服の生徒がいた。
隣の席の、男。
『音海、いるんだろ?ちょっと出て来いよ』
「え、なんで」
というか、何故家がわかったんだ。
教えたことなんかない。
『この前のことで、話がある』
「前?」
何故かオレがここにいるのがわかっているかのように話し続けるから、焦った。
無視するわけにもいかない。ボタンを急いで押す。
前、というと吉野関連は良い思い出がないというか、『ばらされたくないなら抱き付いてみろ』という言葉を思い出して嫌な気持ちになった。
『早く出て来いって』
「出れないんだ。今さっくんがいないから」
『はぁ?』
呆れた声が聞こえるが、仕方がないじゃないかと言いたい。
オレが無断で家を出て危なくならないように、ドアノブに触るだけで電流が走るようになってるから、出ようと思っても出れない。
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