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ひたすらに正孝と猫のニャーシャー!やりとりを隣で眺めながら、学校に着いた。

そして、…現在教室の真ん前にいる。

入ろうとした直前、さっき離れたはずの手をまた握られた。


「行こうぜ」

「わ、」


そのままぐいっと引かれ、ガラッと扉を開かれる。


「はよーー!!」


いつもそんなこと言わないのに、わざと大声を出しながら挨拶をした正孝に…当然注目が集まった。

…ついでにその視線はオレと正孝の間にも注がれるわけで、


「…っ、夏空くん…!」

「咲人様は…っ?!一緒じゃないの?!もしかして風邪?!」

「ていうか、え、なんで夏空くんが雨宮先生じゃなくて、日下部なんかと手を繋いで…?!」

「夏空くんは咲人様のものなのに…?!何?寝取り?NTR?は?マジ日下部クソじゃん」

「夏空様が穢れるって雨宮先生にまた前みたいにメンタルぼこぼこにされるんじゃね。ざまあみろバカ正孝」


オレがさっくんと一緒に来なかったことが珍しかったらしく、いつもより多くの人の声が飛んできた。

…けど、さっくんは学生として一緒に来てるわけじゃなくて、学校でもオレと周りのことを把握しやすいようにって保健室の非常勤の先生として学校で働いている。

同じ養護教諭で常勤の女の先生もいるから、オレに合わせた休みの融通もきくらしい。

学校でも家でするような感じでしてもらうこともあるし、

それにさっくん自身も皆と話したりオレがお世話になってるからって色々あげてたりするから好かれてて、まるでクラスの一員みたいに歓迎されていた。

むしろ一部の男と女子達には崇拝されていた。

先生である前にオレの執事だから、誰かが『咲人様』って呼びはじめて、どれだけさっくんが先生って呼ぶようにっていっても一度ついた愛称は消えなかった。

そして何故この学校の先生になって周りに非難されずにオレの世話ができてるのかというと…噂では、偉いひとをその美貌でろうらくしたからとかなんとかいわれている。


…で、この騒ぎの張本人はといえば、


「クソとか馬鹿って言うんじゃねええ…!ぎゃあぁぁああ…!!」


白にゃんこに今まで以上に顔を、オレと繋いでいた手を激しく引っかかれ、断末魔の叫びのようなものを上げていた。
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