その後

………

……………………


ジャー…とシャワーから降り注いだお湯が、髪から肌を伝って落ちていく。
髪に塗りつけられた白い粘稠液も、舐めまわされた肌も、全部がなかったことみたいに見た目はそうされる前に近い状態に戻る。

お尻の穴から、正樹のと一緒に、…優さんの、精液も、流れて、…


「…………ゆ、う、…さん…」


行為の最中、何度も何度も呼んだ名前。
喉がひりひりと焼けるように痛い。
それに掠れていて呟くことすらままならなかった。

(…俺は、優さんがいないと生きていけない…)

肌に刻まれた彼のものという印が、鏡に映った身体に見える。
壁にこつんと額をつけ、握った手によって爪が皮膚に食い込んだ。
泣きすぎて枯れた瞼からは涙さえ滲まなくて。

漏らした息と、震える唇。
涙が流れたのか、何か熱い感触が頬を一瞬伝ったような気がしたけど、
お湯と一緒に流れて…どちらのものかもわからなくなった。

――――――――――――――――――


パジャマに着替え、リビングのドアを開けた。

ソファーに腰かけ、本を読んでいたらしい。
俺がドアを開けた音に気付き、視線がこちらに向く。

(…ああ、もう、)

整いすぎた美しい容姿に、…ただ、読書をしていた彼がこっちを見た、…きづいて、くれた。

ただそれだけの情景なのに、どう足掻いても心が動いてしまう。
自責に駆られ、…逃れるように目を逸らした。


「流羽」

「…な、何…?」


ドキ、とする。
静かに、綺麗な声で俺を呼ぶ彼の声に、…全てを見透かされている気がしてくる。

優さんを好きと言いながらも毎度毎度他の男に抱かれ、そんな汚い身体でも彼に愛してほしいと思ってしまう汚い気持ちを、
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