宝石
スモーキークォーツ
従う先は、自分の良心。誰彼構わず助けるほど、俺はできた人間じゃない。
信念が違う虎杖と口論になったこともあるけれど、それだけで簡単に変わるような信念でもない。
それは、交流会の時点でも同じだった。
「…君みたいな呪術師もいるんだね?」
そう問うてきたのは、京都校の**先輩だった。どこから聞いたのか、俺の信念に興味を持ったらしい。
先輩は私利私欲のために動く呪術師ばかりに出くわしてきたとのことで、曲がりなりにも誰かを助けると宣言している俺が珍しく見えたようだ。
「人を助けるって意味ですか?……でも、俺はその対象を選ぶような人間です。傲慢って意味では、そこまで変わりません」
朝焼けを掬いとったような美しい色の瞳がこちらを見てくる。先輩も、虎杖と同じ答えを返してくるのか。
「そうかな。守るものくらい選んでもいいと思うよ、私は」
迷わずそう宣言する彼女の声は、凛としていた。
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