宝石

セレスタイト


沢山の者達を引きつけ、その全てを平等に照らす太陽は、ついに月を見つけた。
誰でもなく「皆」に優しいはずの竈門くんが、誰とも違う優しさを向ける人。
「あれは……?」
卒業式を終え、最後の別れをして。
校門から見えたのは、私と同じバッジをつけた彼と、その近くで姉同然に禰豆子ちゃんを愛でるカナヲさんの姿だった。
――カナヲさんは、平等じゃなくて特別がいいと言えたのね。
――私が言葉にする前に飲み込んだ我儘を、彼女は言葉にできたのね。
「……やっぱり、私じゃだめだったんだよ」
自分から諦めておいて何を言っているのかと思うが、私では選ばれすらしないことはもはや変えられない事実だった。
既に決まっている進学先に行って勉強に打ち込みさえすれば、あるいはその後就職先で仕事を始めさえすれば、この苦しい想いは完全に消し去ってしまえるのだろうか。
「ごめんね、今までありがとう……さよなら」

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