野薔薇の蔓

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この間から彼女である**と一緒に何度かやっている女装配信でかなりの資金が貯まり、新しいロリータ服を2人分買えるまでになった。けれどその分の金が貯まってなお、いきなり新しい服を買おうとは思い至れない俺がいた。
元々俺はそこまで私服にこだわるタイプではないけれど、それは俺1人で着る場合の話だ。俺が買おうとしているロリータ服は2人でお揃いにすることに意味があるし、俺1人の一存で選ぶわけにもいかない。

「あー……どうすっかな、」

まずロリータ服自体そう簡単に買えるものではないだろうし、それに新しいものを買ったことで今持っているものを着なくなるならば、今持っているものを着ているうちにその姿を存分に収めておきたいものだろう。何より、この服のコラボ元である漫画――この服を譲ってくれた姉の愛読書でもある『野薔薇の塔』のシチュエーションを再現しながら絡むのは、この服でなければできないことだ。
新しいものを買う前に、この服でなければできないことをしたい――それをとりあえずの理由にして、一旦保留しておくことにした。

「豹馬くん、どうしたの?」
「……**?ああ、配信で結構お金貯まったって姉ちゃん言ってたろ?それで新しい服でも買うかって話してたけど、俺はまだ保留ってとこ」
「その話かー……豹馬くんは、今日もしたいの?配信じゃなくて、その、」

少し赤らんだ顔を逸らしながら、**が言う。
そういえば、昨日から生理が始まったと彼女は言っていた。それならば必然的にそういう行為はできないだろうし、彼女としても今日は無理だと初めから断るつもりだったのだろう。それを押し通してまで絡み合いたいというエゴを通すほど俺はドライでも薄情でもないつもりだから、配信も生理中は休みにしている。

「わかってる。今日はできることだけ、無理のない範囲でしような」
「……うん!」

――さて、今日はどうしてあげようか。
ぎゅっと抱きついてきた彼女を抱きしめ返しつつ、俺は考えた。

***

ベッドの上。
いつもの白いロリータ服姿で座る**を、赤いリボンで縛り上げる。

「**、キツくないか?」
「大丈夫、苦しくない、よ……っ、」
「よかった。痛いところとか苦しいところとかあったら、すぐ言えよ?」
「んー……生理の薬は、飲んでる……」

いつも右脚にテーピングをしているように、あるいはあの漫画の原作で赤薔薇が白薔薇に呪いの茨を這わせたように――少しずつじわじわと侵食するように、**の自由を奪っていく。
背筋を少し伸ばしてもらって、後ろ手に腰から上を縛った。本当は下も縛りたかったけれど、さすがにパニエとドロワーズの上から縛り上げるのはきついだろうし、何より今の彼女は生理中だからあまり負担をかけるわけにはいかないだろう。

「……こら、動くな、」
「ぁ……う、」

身を捩ろうとする**を軽く叱ると、途端に大人しくなって恥ずかしげに俯いた。
普段よりも紅潮した顔、潤んだ瞳、艶めく唇。俺が女装して彼女と絡むことに目覚めたように、彼女は俺に縛られることに目覚めかけているのかもしれない。
――ああ、可愛い。
俺の手で自由を奪われ、羞恥に染まりながらもどこか期待に満ちた眼差しでこちらを見つめてくる姿はとても可愛らしい。

「前にも言ったろ?逃がさねえ、って」

わざと低い声で囁きつつも、リボンで縛り上げる手は止めない。そのまま耳を食み、舌先で輪郭を辿るようにして舐めてやると、**は堪えきれないという風に体を跳ねさせる。
俺がもしあの紅薔薇ならば、かつて俺が怪我を負った場所と同じ――彼女の右脚に茨を這わせて、それから。

「もし、逃げたら……どうしてたの……?」
「そうだな……こうやって、捕らえて――それから、」

どうしてやろうか。
その脚を手折ってしまおう――とまでは、少なくとも今は思っていない。
独占欲ならあるにはあるし、俺が**と女装プレイを楽しみ続けるための踏み台と思わなければ配信にだって抵抗があったくらいだ。
けれど、俺は一度右脚の靭帯を断裂してしまった身だ。足がありえない方向に曲がる痛みや強烈な違和感、それにろくに走れない苦しみだって俺が誰よりもわかっているつもりだし、その上で**の足を手折ろうなどと――彼女にも同じ思いをさせてやろうなどと思えるほど、俺は堕ちてはいない。

「ぁ……私、豹馬くん、に……とらわれちゃう、の……?」
「そうだな。そうなったら、お前はもう逃げられない」

つー、と人差し指で左の太腿から膝にかけてをなぞってやれば、**はまた甘い声を上げてぴくりと震えた。
――ああ、本当に可愛い。
穢れのない少女そのものといった、白いジャンパースカート。それと相反する、艶かしい肌と表情――俺を惹きつけてやまない、甘い蜜を溢して誘う白薔薇。
本当に捕らわれているのは、俺なのかもしれない。

「ぁ、豹馬くん……っ、ひょーま、くん……っ♡」

パニエで持ち上がったジャンパースカートの下に顔を埋めて、ドロワーズとショーツを脱がして。その中心から溢れ出る血混じりの蜜を音を立てながら啜り、舐め取っていく。
この蜜を一滴残らず飲み干せたなら、どれほどいいだろうか――なんて。

「ふぁ……あ……ぁ……っ♡」
「ほら、**……もっと脚開いて、な?」
「ぅ、あ……♡」

快楽を逃がそうとしているのかばたつく脚を軽く手で押さえつけ、秘裂の奥へと舌を差し入れる。ガーターベルトとかをつけてみてもいいかもな、今度外に出かけるならこの脚に履かせる靴下も拘ってみようか――なんて思案しつつも、今は目の前の行為に集中することにした。
どろりと溢れるそれは経血だというのに甘くて、癖になってしまいそうで。けれどそれはあくまでも**のだからで、例えば姉の経血を見てもそうは思わないだろう。
上はリボンで拘束され、下は手で押さえつけられ。俺にされるがままになる彼女の姿を、もっともっと見ていたくなってしまって。

「ぁ……は……っ、ん……んん……っ♡」
「気持ちよさそうだな、**」
「ん、ん……っ、きもちい、よぉ……♡」

顔を真っ赤にして息を乱しながら、とろんとした目つきで言う**。無垢な雰囲気を保ったままで乱れる様は、見ているだけで背筋がぞくぞくするほどに妖艶で。
今すぐにでもめちゃくちゃにしたくなる衝動を抑えつつ彼女の奥へ奥へと舌を進めていき、舌の届かないところは指で刺激して――生理中のせいなのかいつもより感じやすくなっているようで、彼女はあっという間に絶頂を迎えたようだ。

「ぁ……豹馬くん……っ、だめ、そんな、されたら……〜〜〜〜〜ッ♡」
「ほら、我慢しないで……な、」
「や、ぁ……また……また、イっちゃ……ぁ……っ!♡」

痙攣する内壁を刺激してやると、**は呆気なく達した。
――ああ。可愛い。
こんなに煽られて昂っているのにナカを貫けないのが、内側で煮え滾る欲をゴム越しにでも注ぎ込めないのが、あまりにも惜しい。それならば、咥えさせて口の中に注いでしまおうか。あるいは顔の上にかけるか、ロリータ服の上にかけるか――どれもこれも彼女ならば似合うに違いないけれど、今回は口にさせてもらうことにしよう。
縛ったまま**の身体を屈むような体勢にすれば彼女自ら察したのか、自ら屈んで舌を這わせてきた。

「ふふ、ひょーまくん……♪♡」

**もまた焚きつけられているのか、とろりと蕩けた微笑みを浮かべながら俺のモノを口に含む。普段の清楚で可憐なイメージからは想像できないほど淫らに俺のモノをしゃぶるその姿はひどく官能的で、興奮を駆り立てられた。
じゅぷ、ちゅる……♡と唾液や先走り液が混ざり合った水音が響き渡る中、俺の腰にも自然と力が入ってしまう。

「ぁ……豹馬くん、おっきくなった……?♡」
「そりゃ、なるだろ……**のせいだぞ?」
「ふふ……嬉しい、なあ……♡」

俺のを離す気配はなく、むしろ先程よりも深くまで飲み込んでいく**の口内。時折喉に当たる感覚と苦しそうな声にすら欲をかき立てられて、このままだとすぐに達してしまいそうだ。
リボンで後ろ手に縛られたロリータ服姿の少女に、こうやって奉仕をさせている。しかもその奉仕させている側である俺も、色違いのロリータ服姿――そんな、何とも倒錯的な光景に酷くそそられてしまって。
彼女の後頭部を押さえつけて、そのまま腰を動かし始めた。

「そう、そのまま……そう、いい子だな……?」
「ひょーま、く……ん……んぐ……ぅ……!」
「苦しい?」
「ん……だいじょー、ぶ……だよ……♡」

無理をしていないわけがないのに、それでも健気に答えてくれる**が愛おしくて。そのまま髪を撫でてやれば、彼女は目を細めて嬉しそうに笑っていた。
やがて限界を迎え、口の中に精を注ぎ込む。出されたそれを飲もうとするものだから、慌てて止めて俺の手の中に吐き出させた。

「っ……何飲もうとしてんだ、」
「ぁー……えへ、えへへ……♡」
「ほら、手の上に吐いて……な……?」

**の口から吐き出され、やがて顎を流れ落ちて俺の両手に溜まった白濁液。この量が――一歩間違えれば彼女が孕んでしまうくらいの量が俺から出ていたのかと思うと、ぞくりと背筋が震えてしまって。
白いジャンパースカート、赤いリボン。白い濁液、赤い経血。一瞬でも目を逸らすことを許さない、白と赤のコントラスト。

「ひょーま、くん……♡」
「苦かったろ……すぐにうがいして、それからご飯食べような」

リボンを解いて、**の生理ナプキンを取り替えて、ジャンパースカートを脱がせて。そしていつものように優しくキスをして、部屋着に着替えたら食事の準備をする。この間は俺の姉が勧めてくれたご飯屋さんに付き合わせてしまったから、今日は**が好きなオムライスにしてあげよう。
可愛い可愛い、俺の白薔薇。

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晴天のじゃじゃ馬