コットンキャンディ・バトルワゴン

幼児期を過ぎても、魔法少女が好きな人は一定数いるだろう。
何せ、私もそのうちの1人だ。そして今の彼氏である一揮くんも、もちろん魔法少女の映画――といってもアニメの総集編なのだが――をきっかけにして知り合った。
そんな私だが、先日とあることを思いついてしまったのだ。

「そうだ!一揮くんにコスプレをしてもらおう!」

魔法少女のコスプレ――といってもあくまでパーティー用の衣装で、いわゆるコスプレ用の衣装ではないのだが――を着て、一揮くんには敵っぽいコスプレをさせて。そのまま彼に捕まった私というシチュエーション設定で行為に及んでみたいという欲望が湧き上がったのだ。とりあえずその妄想を実現するため私は通販サイトを開き、手ごろな値段の衣装を選んで買った。
そして迎えた、数日後のデート。

「あ、あのね一揮くん!お願いがあるんだけど……」
「はい、なんでしょう?」
「だから、ね……!今日は、その……これ着て、私のこと捕まえてくれないかな、って……」

緊張しつつもそう切り出してみると、一揮くんは一瞬驚いた顔をした。しかしすぐに平常心を取り戻したようで、いつも通り髪で隠れた両目から真剣な眼差しを向けてくる。
彼がいつも語っている持論によると目はその人を表すらしいから、つまり彼は私の要望に答えてくれるということだろうか。断られる可能性も考えながら続きを待っていると、彼は静かに口を開いた。

「いいですよ。しましょう?」
「……え、いいの?一揮くんの好きなさやかちゃんじゃないんだよ、私は……っ、」
「確かに、僕はさやかちゃんを襲う魔女にはなれませんからね。魔女は魔法少女の成れの果てですから。――でも、**さんのことを捕らえることはできますから」
「じゃ……じゃあ、」

こういう返答をされるということは、応えてくれるということでいいのだろう。
私は自分の頬が緩むのを感じつつ、用意していた彼の分の衣装をクローゼットの中から取り出す。そしてしばらく彼に別の部屋で着替えてもらい、私もこの場で着替えて彼を待つことにした。

***

そして、数分後。
準備を終えた一揮くんが部屋に入ってきた瞬間、私は思わず息を呑んだ。だってそこには、想像以上にカッコよく変身した彼がいたから。
黒い衣装に、赤いネクタイ。相変わらず眼は隠れたままだけれど、それがかえってミステリアスな雰囲気を醸し出している気がする。それにしてもどうしてこうも様になるのか。本当にずるいと思う。こんなかっこいい姿を見れただけでも、この提案をしてよかったと思った。
けれど事前に話していた通り私は捕まえられる側という想定なので、こちらに向かって歩いてくる彼をベッドに座ったまま待っている。

「……一揮、くん、」

まるで本物の悪者のような雰囲気を纏いながら近づいてくる彼に、心臓がバクバクとうっている。これから自分がどんな風にされてしまうのか期待している自分もいるような気さえしてくる。
そしてとうとう目の前までやってきた一揮くんは、そっと私の肩に手を置いた。

「捕まえましたよ。もう逃がしません」
「ん……っ、なん、で……」

びくり、と一瞬身体が跳ねる。
なんで――と聞きはするものの、あくまでもこれはプレイであって本気で嫌なわけではない。そもそもそもそもこの状況を――敵に捕まる魔法少女というシチュエーションを作り上げたのは他でもない私だし、そういうことをしたいと言い出したのも私なのだから当然と言えばそうなのだが。
それでもシチュエーション上少しだけ抵抗するように言ってみると、彼はどこか楽しげな声で言った。

「貴方さえ捕まえてしまえば、他の魔法少女達は僕達の邪魔をしに来ることはないでしょう?」
「……ぁ……っ、」

その言葉を聞いて、ぞくりと背筋に快感に似た何かが走る。
捕らわれの魔法少女という設定だからこそ、敵役の彼はあえてそんな言い方をしたのかもしれない。けど、それならそれで興奮してしまうのだから困ったものだ。すると一揮くんは突然私の顎を持ち上げて、そのまま軽くキスを落とした。
触れるだけの軽いものだったが、それだけで身体は熱くなっていく。そんな私を見て小さく笑った彼は、今度は首元へと唇を寄せてきた。ちゅっと音を立てて吸いつかれると、ぴりっとした痛みと共に甘い刺激が広がる。

「ふ……っ、んぅ……♡」

漏れそうになる声を必死に抑えながら、与えられる快楽に耐え続ける。そんな私の様子を楽しむかのように、一揮くんは何度も同じ場所に痕をつけていった。
コスチュームを中途半端に脱がされて鎖骨の辺りにも口づけられると、いよいよ我慢できなくなりそうだった。というよりすでに頭がぼうっとしていて、正常な判断ができなくなっている自覚はある。

「ね……もっと欲しいですか?」
「……ほ、しい……?」
「ええ。この先にある快楽を知ってしまったら、もう戻れなくなりますよ?」
「そんな……っ、」

あくまでこの行為は普段の行為の延長線上のもので、コスプレをして特殊な状況を作っているだけだ。なのにいつもよりもずっと恥ずかしくて、すごくどきどきして、どうしようもなく身体が疼いて仕方がない。
こんな風になってしまうなんて、本当にどうかしているとしか思えない。けれど、そう思っていても止められないのだ。

「**さん?」
「ぁ、あ……堕ちたりなんて、しないんだから……♡」

震える声でどうにか答えると、彼は満足げな表情を浮かべた。



「ぁ、あぁ……っ、そこだめ……っ♡」

スカートを捲り上げ、ショーツを脱がされて。ぐちゃぐちゃになった秘部を容赦なく指先で責め立てられるたび、びくびくと腰が跳ね上がる。それと同時に胸の先端を口に含まれ、甘噛みされたり強く吸われたりするものだから、たまったものではない。
ワンピースだったら完全に脱がされるか下腹部だけを愛撫されるだけだったろうから、セパレートのコスチュームにしておいて本当によかったと思う。

「ひゃ……っ、やら……♡いっしょにしな……ぁ、ん〜〜〜っ♡」

一際敏感な陰核を摘ままれながら中のざらついた部分をぐりっと押し上げられてしまえば、呆気なく達してしまった。しかしそれでも手の動きを止めてくれることはなくて、むしろ激しさを増していくばかりだ。
絶頂したばかりのそこはひどく感じやすくなっているせいで、すぐにまた昇りつめるのを感じる。二度目の絶頂を迎えようやく手が止まったところで、いつの間にか脚を先程よりも開かされていて――ゴムを纏った一揮くんのモノが私のそこへ押し当てられたと思った直後、一気に最奥まで貫かれてしまった。

「やっ、イったばっかだから、だめ……またいっちゃ……んん〜〜〜〜!♡」
「すごい締め付けですね……っ、はは……そんなに欲しかったんですか?」
「あ、あぁ……っ♡おく、あたって……っんん、っ♡」

待ち望んでいた質量を中で感じるだけで、子宮がきゅんきゅんとうずいている。無意識のうちに彼のものをきゅうっと締め付けると、一揮くんが小さく息を飲んだ。
もちろん衣装は着たままだし彼もズボンの前を開けただけの状態で、いつもとは違う格好のまま繋がっているという事実がさらに興奮を高めていく。

「ほら、わかります?僕のが全部入ってるんですよ……?」

耳元で囁かれながら確かめるようにお腹を押されれば、それだけでも軽く達してしまいそうになった。
一揮くんはゆっくりと抽挿を始めつつ私の首筋に再び吸いつき、その度に赤い痕を残していく。その間も絶えず弱いところを突かれて、頭の中で火花が散るような感覚に襲われた。

「んっ♡あ、あぁ……っ!♡」
「ここ、好きですよね……?」
「あぅ……っ♡んん……っ、すきぃ……すきなの……っ!♡」

もしこれが現実なら、私が囚われたことによって今頃仲間を心配させてしまっているに違いない。そうならば申し訳なさと後ろめたさを感じるはずなのに、今の私には快楽しか受け止められないのだ。
どうやら、私はとうに彼の腕に捕らわれる運命だったのだろうと――そう悟りながら、その後もひたすら彼から与えられる快楽に翻弄されるしかなかった。