午後三時のシエスタ

※生理ネタ

「んー……つらい……」

今月も、つらい一週間がやってきた。女子ならお察しであろう、いわゆる女の子の日というやつだ。
世の中は節分やらバレンタインやらで沸き立っているが、今の私にはそれを気にしている暇などない。

鞄から取り出した痛み止めの薬を飲み、そのまま眠気に負けて机に突っ伏している――と。

「**ちゃん?」
「あ……犬飼くん、」

私に声をかけた金髪の青年は、隣の席の犬飼くんだ。
彼には二人の姉がおり、女の子の日に悩む姿を間近で見ているからか、同じことで悩んでいる時の私にも偏見など持たず優しくしてくれている。

「凄くつらそうだけど、大丈夫?」
「大丈夫……とは、言えないけど」
「だろうね。……ほら、これ。冷やしちゃだめだよ?」

犬飼くんはそう言って自分の着ていたカーディガンを脱ぎ、ふわりと私の肩にかけた。
彼だって、この季節は寒いはずなのに。

「……いいの?」
「俺は中に着てるからね。それよりさ、」

さらりと受け入れてくれたかと思えば、彼は一呼吸置いて私の隣に座る。

「俺も眠いし、昼寝でもする?」

そういえば、今は午後三時。ちょうど眠くなる時間だ。
犬飼くんの手が私の背中をカーディガン越しにゆるゆると撫でているせいか、さらに温かくなって眠くなってしまう。
彼も、私と同じで眠かったらしい。

「ん……寝る、」
「いーよ。楽にしていいから、ね」

その優しさで、その温かさで。
身体の奥に突き刺さった痛みが、緩やかに散っていくような気がした。

重い瞼を、完全に閉じて。
ふたり、眠りへと落ちていく――