好きという気持ち
全体の部活後、各々の自主練時間となる。
その時間になると誰かしらが、湊を練習に誘った。
本日の練習は三本ローラーだった。
そして一緒に練習に付き合ってくれるのは荒北だった。
『やっぱり三本ローラーは景色が変わらないから辛いですねえ』
「ンだよそれェ」
『だって外だと色んな景色見れて楽しいじゃないですか!特に山だと楽しいです!』
「ヘェ」
『今度サイクリングにも行きたいなあ。その時は靖友さんも行きませんか?』
「いつかネェ」
『やったー。その時はお弁当も作りますね!』
「肉ヨロシク」
『お任せください!』
滝のように流れる汗をかきながらも湊は楽しそうに笑って荒北に話しかけながら三本ローラーをやっていた。
ちょうど外回りから帰ってきた自主練組は飲み物を飲みながらそんな2人を見ていた。
「あいつらいつの間に仲良くなったんだ?」
「そういえばこの前靖友の体操服を湊ちゃんが着てたな」
「えっ」
「どうした真波、顔が強ばってるぞ」
「はは、真波はわかりやすいな」
「…湊ちゃん」
山岳は湊の名前を呟いて、三本ローラーをやっている湊の隣にやってきた。
『山岳?』
「湊ちゃん、それオレもついてっていい?」
『うん、いいよ』
「やったー」
胡散臭い真波の笑顔に荒北は面倒クセェと呟いた。
そんな荒北に湊は何がですか?と言い、一部始終を見ていた新開は苦笑し、疑問をぶつけられた荒北はため息をついた。
新開と一緒に一部始終を見ていた東堂はどうしたのだ?と呟き、訳が分からないという表情をしていた。
本日の予定していた自主練も終わり、皆帰宅準備をした。
湊はシャワーを貸してもらい、制服に着替えると、急いで部室前までやってきた。
部室前には既に着替え終えている山岳が立っていた。
『ごめんね、待たせちゃって』
「ううん、全然待ってないよ」
『山岳は優しいなあ。それじゃ帰ろっか』
「うん。帰ろう」
『お疲れ様でしたー』
「お疲れ様でーす」
湊と山岳は自転車に跨ると、帰路に着いた。
「あの2人仲が良いな」
「あー、仲が良いっていうか」
「ケッ。真波の視線がウゼェ」
「お疲れ、靖友」
「どうしたのだ?」
「尽八にはまだ早いみたいだな」
「ムッ。それはどういう事なのだ!!」
「ラブだね!!」
「凛、いたのか」
「いたわよ!真波くん、湊ちゃんの事好き過ぎるね」
「そうなのか!!」
「どォー見てもそうダロ」
「湊ちゃんって自転車競技部に好きな人いるっぽいのよね」
「真波か?」
「うーん、誰かまではわかんない」
「ウム。オレは罪深き男だな」
「靖友とか?仲良いよな」
「ハァ!?巻き込まないでくンナァイ!?」
「誰か尽八につっこんであげなよ、可哀想」
「可哀想ではないな!!!」
「ウゼェ」
「ウザくはないな!!!」
湊と山岳が帰ったあと、部室は少しの間2人の話題で持ち切りだった。
そして、ある程度話すと皆寮へと帰っていった。