合同授業



「真波くんが好きなの!私と、付き合ってください」

廊下を歩いてたら空いてた窓の外から聞こえてきた言葉は告白だった。
湊は思わず窓の外に視線をやった。
湊の隣にいたりつも湊の視線の先に気付いた。

「キミは自転車は好き?」
「へっ?!あ、自転車に乗ってる真波くんが好き」

山岳の問いにそう答えた女の子に対して、湊は『それ答えになってないじゃん』と呟いた。

「オレ、キミとは付き合えないや」

ごめんね。と笑って言う山岳に湊は少しばかりホッとした。

「聞いてもいい?」
「え?」
「黛さんと付き合ってるの?」
「んー、付き合ってはないかな」
「…好き、なの?」

女の子の問いに山岳が答える前に湊は窓から離れ歩き出した。

「湊、聞かなくてよかったの?」
『聞きたくない』
「そっか。やっぱり王子はモテモテだねー」

そうだねって言いながら笑う湊にりつは違和感を感じた。

「湊」
『なに?』
「…ううん、なんでもない!次体育だし着替えに行こ!」
『そうだね、行こう』

2人は1度教室に戻り体操服を持ったあと、更衣室に向かった。


体育は2クラス合同での授業だ。
湊のクラスは隣の山岳や宮原がいるクラスと同じだった。
そして今日の授業は男女共にバスケだった。
広い体育館を男女で反面ずつ使うので、試合に出ていない山岳のファンは偶に体育の授業に出てくる山岳を見てキャーキャー騒いでいた。
湊とりつは同じチームで試合に出ていた。

「湊!」
『っと』

湊が投げたボールがシュッと網をぬけた。
するとパスをしてきたりつがいぇーい!と言いながらハイタッチをしてきた。
そんな女子の光景を試合に出ていない男子は眺めていた。

「日向さんってかわいいよな、バカだけど」
「凄くわかる、笑顔が特にかわいい、バカだけど」
「オレは黛さん派だな。付き合いてえ」
「夏也と玲音はあの2人と仲良いよな」
「羨ましい」
「仲良いって、別に話したいなら話しかけたらいいだろ?」
「できたら苦労しねえよ!」
「彼氏とかいるのかな」
「いたら夏也達といねえだろ」
「はっ!もしかしてどっちかと付き合ってんのか!?」
「ばーか、付き合ってねえよ!」
「夏也」
「ん?どうした、玲音」
「あっち見ろよ」

玲音の視線の先に居たのは、冷たい視線をこちらに向けていた真波だった。
夏也が真波とバチッと目が合うと、真波はニッコリと笑った。

「真波が怖ぇ…」
「次、真波がいるチームと試合だけど大丈夫か?」
「俺死ぬかもしれない!?」
「骨は拾ってやるよ」
「いや、その前に助けて!?」



体育の授業が終わり、更衣室で着替え終わったあと、湊とりつが教室に戻っている時、2人の前に山岳が現れた。
そしてりつに湊ちゃん借りるねと言い、湊の手を掴んで走り去っていった。

『さんっ…がく…!速っ…い、まって』
「あ、ごめんね、湊ちゃん」

人通りの少ない階段に来ると急に立ち止まる山岳に、湊はそのまま突っ込んでしまった。
そんな湊を難なく受け止める。

『山岳?』
「隙あり〜」
『んっ!?』

ちゅっと山岳に唇を奪われた湊は、顔が真っ赤になった。
そんな湊を独占するように腕の中に閉じ込め、湊の顬にキスをした。
山岳は視線だけ動かし、階段の近くにいた先程黛派と言ってた男子に、べっと舌を出したのであった。



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