譲れないもの



※裏有り

幼い頃から譲れないものがあった。
どんなに体が弱くても、どんなに退屈で死にそうでも、オレはずっと…。

『さーんーがーくー!』
「湊ちゃん!」

君のオレを呼ぶ声も、君のオレに向けてくれる笑顔も誰にも渡さない。
ずっとそう思ってた。
そして、漸くオレは君を手に入れることが出来たんだ。

スヤスヤと安心しきった表情で、オレの腕の中で眠る湊。
愛しくて、愛しくて、愛しくて堪らない。

「湊…」
『んっ…むにゃ』
「湊、好きだよ」

こんなドロドロした気持ちを湊に知られたら嫌われるかもしれない。
しかし、心でそう思っていても止められない。
湊が好きで、好きで、好きで、誰にも渡したくない。

山岳がそっと抱きしめる力を込め、湊との距離をもっと近付けると、湊の瞼がピクリと動いた。
そしてそっと瞼が開き、湊の眠たそうな目と至近距離で目が合った。

『んっ、寝ちゃってた…』
「おはよう、湊ちゃん」
『おはよう、山岳』
「よく寝てたね」
『山岳の腕の中温かくて』
「まだ眠そうだね」
『うん、まだ眠い…』
「まだ寝る?」
『ん、もうちょっとだけ』
「いいよ、おやすみ」
『おやすみ…』

再びスースーと寝始めた湊。
すごく信頼されてるなあと思いつつ、山岳は湊の唇を親指でなぞった後、そっと口付けた。

「好き」
『…わたしも、好きだよ』
「起きてたんだ」
『えへへ、山岳からちゅーしてもらったー』
「湊ちゃんからはちゅーしてくれないの?」
『そ、れは…』
「それは?」
『恥ずかしい』
「オレとちゅーしたくないってこと?」
『ち、ちが!』
「じゃあ、はい。はやく」
『…ん』

山岳の唇にそっとキスをする湊の頬は赤く染まっていた。
山岳はそんな湊の頭に手を添え、離れていかないようにし、驚いて薄らと口をあけた湊に己の舌をぬるりと入れた。
そして湊の力が抜け、山岳に縋り付くまで深く深く口付けた。

『さっ、がく』
「湊ちゃん」
『っん』
「シよ?」
『ひゃぁ』

湊の酸素を奪うように何度も深く口付けつつ、服の中に手を滑り込ませ肌を直接撫であげると、徐々に湊は蕩けた表情へと変わっていった。

「湊ちゃん、もっと触ってほしい?」

湊の服は捲りあがって下着まで見えていた。
山岳は素肌を晒している部分と下着との境界線をツーッと撫でつつ、楽しそうな表情で湊に尋ねた。

『いじわる』
「どうしたい?」
『…さ、さわって』
「かわいい」
『んっ…ぁ』

触ると徐々に硬くなって主張してくる乳首を片方は舌で転がし、片方は指で刺激すると湊の甘い声が山岳の頭の上から聞こえてきた。
湊の胸を堪能しつつ、空いている片手を湊のスカートの中に手を突っ込み下着越しに撫であげると既に濡れていた。

「濡れてる」
『言わ、なっ、あっ』
「指すんなり入っちゃったね」
『ひゃ、ぁ』
「聞こえる?ほらビチャビチャいってる」
『っ…ふぅ、ぁ、やぁ』
「嫌?湊ちゃんが締め付けて離してくれないのに」
『ちがぁ』
「本当だよ?」
『ぁっあっ、やぁ、イっちゃぁ』
「まだだーめ」
『ふっぅ…さん、がくぅ』
「湊ちゃん、オレのほしい?」

湊の手を掴んで、硬くなって大きくなった自身を握らせ、湊の手に自分の手を添えて上下に動かした。

『ほし、い』
「どうしたい?」
『入れてっ、ほしい、の』
「いいよ」

ちゅっとリップ音を立てて湊の唇を奪うと、山岳はベッドから降りた。
湊は驚き、そして不安そうな表情をした。
山岳は棚から箱を取り出すと湊の方を振り返った。
その手には避妊具が握られていた。

『さん、がく…?』

湊は見た事がない箱に何これ?というような表情をしていた。

「何かわからないって顔してる」
『う、うん』
「コンドームだよ。んー、避妊具って言ったらわかる?」
『避妊具…』
「うん、湊ちゃんのこと大好きだからね」
『えへへ、山岳大好き』

山岳は箱から1枚袋を取り出し、自身に着用すると、湊に覆いかぶさり再びキスをした。

「湊ちゃん、大好き」
『あぁっ…さっ、がく…ぅ』
「はっ…ん、力抜いて…」
『んっ、ぅ…ふぁっ』
「…ん、全部、入った…よ」
『さんがくっ…すきぃ…』
「オレも、湊ちゃんが大好きだよ」

ゆっくりと動き始めた山岳に、湊は足が震えながらもキスを求めた。
山岳は少し余裕がなさそうな表情をしたまま、いつもよりも激しく湊の口内を荒らした。
そのままパンパンと激しく肌がぶつかりあい、湊は何度か身体を大きく仰け反った。

『ひゃあっあっあっ…んっふぅあっ』
「湊ちゃんっオレ、もうっ」
『ああぁっぁっんぅ』
「イっ…く」
『ひぅ…ぁ…』

ゴム越しに感じる熱い感覚と、覆いかぶさってる息の荒い山岳の呼吸が首元を刺激しているのを感じながら湊はそっと目を瞑った。
山岳はそんな湊の首元にキスを落とし、赤い華を咲かせた。

「愛してるよ、湊ちゃん」

意識がない湊を見つめながら、山岳は満足気に笑っていた。



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