03

「兄貴…っ」
「……んっ、ふっ…」
 聡の手が俺の脇腹を這い、胸の突起を摘まむ。俺の性器はゆっくりと首をもたげ、反応を自信を主張しだす。
「あ……っ」
 捏ねるように弄られていた乳首を、急に爪で引っ掻かれると、快感の細やかな波が押し寄せてくる。
「聡…っ」
 俺の意思とは無関係に聡の手に押し付けるように胸を突き出してしまう。
「…兄貴」
 聡の舌が耳殻を這い、耳元でしゃべられると、ゾクリとした感覚に襲われる。
 舌はそのまま首を伝って胸にたどり着き、突起を舌先でちろりと舐めてから、ゆっくりと口に含む。
「…あぁっ、ふぁっ……」
 聡は俺の乳首を味わうようにしゃぶる。もう片方の胸は手のひらに包まれ、全体を揉むように撫でる。
 俺の性器はいつの間にかすっかり固くなり、先走りに濡れている。
 早くこのじれったい感覚から逃れたくて、自分の手を下へと持っていこうとしたが、その手は聡の手に絡めとられ、頭の上に拘束された。
「……っ、や……」
 乳首をゆるゆると弄られるだけで、性器に直接の刺激は与えられない。腰の辺りに重たい感覚だけが溜まっていく。
「…気持ちいい?」
 耳元での聡の囁きに、思うままにコクコクと頷いてしまう。早く射精したいのに、決定的な刺激がない。
「……触って…っ」
 我慢もそこそこに、下半身を聡に押し付ける。自然と腰が揺れて、快感を求めようする。
 普段の俺ならこんな甘えた言葉を吐いたりは決してしない。だが俺は分かっている。この独特のふわふわした感覚。地に着いているようで着いていない、重力が小さい感覚。これは夢だ。夢だからこそ、理性のネジはゆるゆるになり、欲望に身を任せてしまう。
 聡はくすりと笑い、俺のモノをゆるゆると扱き出す。
「…あっ……、んぁっ」
 欲しかった直接的な刺激を手に入れ、聡の手の動きに合わせるように腰を振る。
 頭の中には快感しかない。もっともっと気持ちよくなりたい。ただただ快感を追う。ピストンはどんどん速くなる。
「―――あぁぁっ…」
 溜まりに溜まったものをぶちまけるように爆発した。白濁が飛び散り、腹の上にぱたぱたと掛かる。
 頭の中が真っ白になった瞬間、俺は気づいてしまった。
 これは夢じゃない。
 そう気づいた途端、急に重力が圧し掛かってきて、現実に引き戻された。
 チカチカする目を開けると、そこには息を乱して苦しそうに目を瞑った聡がいた。聡は俺の上に馬乗りになったまま、自身を扱き、小さなうめき声を上げて俺の腹に自身をぶちまけた。
 俺はあまりのことに固まってしまい、動くことが出来なかった。
 聡が顔を上げた瞬間、目が合った。聡の顔からサッと血の気が引いた。
「ー―お前、何してんだよ!」
 思考を停止していた脳が急に現状を理解して、怒りと混乱から手が出た。
「兄貴っ…!」
「ふざけんなっ!」
 切れた唇から血を流し、顔面蒼白の聡に思いっきり枕を投げつけて、俺は部屋を飛び出した。


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-家庭内密事-
-彼の衝動-