09

 狼は俺を折りたたむように腰を持ち上げ、交わりを深くし、的確に前立腺を突いてくる。俺の胎内が、狼のモノに絡みつくように、悦びに蠕動している。
「…あっ、あっ…、あ、イくっ、や、ぁ…、イく、ッ…」
 俺のモノは早くも再びきつく張りつめており、弾けるのを心待ちにしている。
「…ん、もっと、もっと…、つよく…っ、して…ッ…」
 狼は俺の言葉を理解したかのように、痛いほどに激しく腰を振る。快楽に飲まれた俺の身体は、迫りくる絶頂に歓喜していた。
「…あッ、…あっ、あっ、あっ、―――ああぁッッ!!」
 ついに限界がきて、白い飛沫が勢いよく飛び出す。
 背筋が仰け反り、目の前がちかちかと点滅し、声にもなれなかった空気だけが、喉から絞り出される。
「――――ッッ」
 絶頂が終わらない。精液を出し終えたはずの俺のモノは未だに勃ち上がり、仰け反ったままだ。鈴口がひくひくと口を開いている。後腔は、狼のモノを喰い千切らんとばかりに締め付ける。
 精液はやっと注ぎ終えられ、亀頭球がしぼんでいくのを、頭の片隅で感じ取った。
 俺の脳内はもう、性の一色に染まっていた。理性を失い、快楽に溺れた俺は、もう人間ではないのかもしれない。本能のままに快感を追い求め、獣と交わり、自らも腰を振り、種付けされた。
 俺はもう、墜ちてしまった。
 性欲にまみれた獣に。
 狼が俺の身体に飛び散った俺の精液を、舌で丁寧に舐め取っていく。俺はそれを尻目に、そっと自分の腹に触れる。そこは、見ただけでわかるほど、ぽっこりと大きく膨らんでいた。ナカに入っているのは全て精液。巨大な真っ白い狼の、獣の大量の精液。狼の子を孕んでしまっても仕方がないほどの量。
 俺はもう、…メスだ。
 射精し終わっても、狼は俺のナカから出て行こうとせず、俺の意識がなくなっても、衰えず屹立した己のモノを、いつまでも俺に打ち付けていた。


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-家庭内密事-
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