12 男の手が俺のモノを扱き始め、さらに俺を追い詰める。同時に前と後ろを攻められ、急速に昇りつめていく。 苦しく身を捩る俺の耳元で、男がそっと囁く。 「いっそ、友達に見せてあげようか」 肩越しにぱっと振り向くと、男が後ろ手に扉の鍵に手をかけていた。 男の言葉の意味に目を見開く。 このまま扉が開けば、二人に俺の醜態が丸見えだ。 男がそっと錠前をスライドさせる。 (いやだ、やめろ!) 俺の心の中の叫びなど届くはずもなく、奥のしこりを抉るように、腰を打ち付けられる。 「―――ァぁッッッ!」 「おーい、何してんだよ二人とも。早く戻れ」 俺が弾けるのと同時に、入り口から大きな声が響いた。勢いよく飛んだ飛沫が、ぱたぱたと顔にかかる。 「こんなところでサボってたのか」 「見つけんの早ぇよ」 「いいから早く戻れ、忙しいの知ってんだろ」 「だから嫌なんだよー」 尾崎と池本はぶつくさと文句を言いながら、連れ戻しに来た友人に連れられ、トイレを出ていった。 ゆっくりと開いていく扉の向こうは、すでに二人が立ち去った後だった。 男は残念そうに、再び扉を閉め、鍵をかける。 「あーあ、恥ずかしい知也の姿、友達に見せてあげたかったのにな」 「…はぁっ、…はっ…、おまえっ、ふざけんなよ…」 肩越しに男を上気した顔で弱弱しく睨む。 「慧太さんだろうが」 射精直後で敏感になったナカを容赦なく突かれる。 「…ぁ、…あっ、あっ…、や、…っ」 「友達まで誘惑してるような淫乱のくせに」 ピストンが激しくなり、最奥を突いた瞬間、男のモノがナカでぐっと膨らんで弾けた。 「…あ、…ぁ、あ…」 「…ッ…、…あいつらは、女装してる知也なら抱けるとかぬかしてやがったが、本当にそうだと思うか?土壇場になって怖気づいて逃げるに決まってる。所詮、知也も男だからな。でも、知也は女装しないとイケないんだろ?そんな変態趣味の知也を抱いてくれる男がどこにいる?」 男が俺に訴えかけるように問う。 -家庭内密事- -彼の衝動- |