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「文化祭で女装するのが嫌なのは、女装するだけで興奮するからだろ?」
「…あ、…ん、…ぅ、ぁ…、はぁ…っ」
 男の指が俺のナカを押し拡げていく。時折、奥のしこりに指が触れるが、その緩い刺激がもどかしい。強い刺激を求めて自然と腰が揺れる。
「この下着だって、いつも着けてるだろ。こんなもの着けて登校するなんて、男に犯されたがってるとしか思えない」
「ぁ、…んぅ、あ…、…もっ、と…、強く…っ…」
 最近ではもう、家で女装しているだけでは物足りなくなってきた俺は、制服の下に女物の下着を上下ともに身に着けて登校するようになっていた。友人と平然に話しているにも関わらず、見えない所で本当は変態的な格好をしているということが、俺をより興奮させた。
 文化祭での女装も、最初はなんとか我慢していたが、大勢の人に俺のこんな姿を見られている状況に、自分の高ぶりを抑えるので精一杯だった。
「一度、雨の日に傘を忘れて学校から濡れて帰ったことがあるだろ?俺はその時初めて知也と会ったんだが、濡れた制服の下に、ブラが透けてるのが見えたんだ。その時、俺がこの子を女の子にしてあげなくちゃと思ったよ」
「…あ、…んぁ、ふ…、ぁ…」
 アナニーするたび、いつも何か物足りなかった。頭の片隅に何かが引っかかっていた。もちろん指だけでも気持ちいい。でも、自分の指だけだは到達できない境地があるはずだ。その境地に辿り着くのに必要なものが何なのか、今まで気づかないふりをしていたけれど、今ならはっきりと分かる。
「…今すぐ俺が知也の願いを叶えてやるよ」
 男は後ろから指を引き抜き、両手で俺の腰を掴む。
「女にしてやる」


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-家庭内密事-
-彼の衝動-