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 廊下を歩いていると、後ろから誰かに腕を掴まれた。ぱっと振り向くと、そこには切羽詰まった顔をした、萩原がいた。
「なんで避けるんだよ」
「わざわざ聞かなくても分かるだろ」
 浅井は冷たく言い放ち、立ち去ろうとするが、萩原は浅井の腕を強く掴み、離そうとしない。
「離せよ」
「俺の話を聞いてくれ」
「うるさい!」
 浅井は一喝すると、萩原の手を振り解いて、一目散に走りだした。
「待てよ、浅井!」
 萩原が後ろから追いかけてくる。浅井を追いかける萩原を見て、すれ違う生徒が驚いて振り返る。
 浅井は階段を駆け上がり、息を乱しながら扉を開け、屋上に駆け込む。萩原もすぐに追いつき、息を乱す浅井の背中に声をかける。
「浅井」
「お前のせいでめちゃくちゃだ!」
 萩原の言葉を遮り、浅井が声を荒げる。
「別にお前のことなんか好きじゃないのに、匂いだけでおかしくなるし、距離を置いても、漂ってくる匂いで触られたときのことを思い出す。…自分で自分が分からないんだ。もう、うんざりなんだよ。これ以上、俺を振り回すのはやめてくれ。俺はお前のおもちゃじゃない!」
 途中から声が震え、目頭が熱くなる。
「浅井のことをおもちゃだなんて、一度だって思ったことねぇよ」
「思ってるだろ!俺のこと、散々からかって…。俺ばっかり、お前のこと考えてる…。呼吸するだけで、苦しいんだ…」
 とうとう泣き出してしまった浅井を、萩原は後ろからそっと抱きしめる。
「浅井が好きなんだ」
 萩原は、時折言葉に詰まりながらも、懸命に言葉を紡ぐ。
「でも、俺、今までちゃんと人を好きになったことがなかったから、どうすればいいのか分からなくて…。気持ちだけが先走ってた。ごめん…」
 浅井を抱きしめる萩原の腕に、力がこもる。
「俺だって、ずっと浅井のことばかり考えてる。浅井が、かわいくてかわいくて、仕方ないんだ」
 萩原は浅井を振り向かせ、正面から向かい合う。浅井を射抜く萩原の目は、真剣そのものだった。
 萩原はついばむように、一度だけそっと唇を重ねる。
「好きだよ、浅井」
 再び口づける。今度は深く。
 頬を涙に濡らしながら、浅井もおずおずと舌を差し出す。それはすぐさま萩原に絡めとられ、深く交わる。
「…ぅ、…ァ…、…ふぅ…、ん…」
 こういった行為に慣れていない浅井は、萩原の勢いに圧倒される。
 呼吸の仕方が分からない浅井は、だんだんと頭がぼーっとしてきて、ついには膝から崩れ落ちた。萩原は浅井の腰を抱き、そっと地面に寝かせる。
 唇を交わしたまま、萩原は浅井のシャツのボタンを次々に外していく。そうして現れた、胸の小さなピンク色の突起を摘まむ。
「…んぁ…ッ」
 驚いて、浅井の身が跳ねる。
「そんなとこ、…っ、触るなよッ…」
 嫌がる浅井をよそに、萩原は小さな突起を口に含む。
「萩原…っ、や、だ……」
 引き剥がそうと、萩原の髪を引っ張るが、その力は弱弱しい。
 屋外だから、萩原の匂いは届きにくいはずなのに、身体のほてりがどんどんと増していく。
 背中がひくつき、むしろ萩原に胸を突き出す形になってしまう。
 突起を吸われると、微弱な快感が走る。萩原といると、知らなかった自分が見えてくる。
 萩原は口を離すと、浅井の下の衣服を剥ぎ取り、浅井のモノをまじまじと見つめる。
「…かわいい、ピンク色」
 浅井は自分の頬がかっと赤くなるのを感じた。
「見るなよっ…!」
 萩原はくすっと微笑むと、浅井の太腿を掴み、脚を大きく広げさせた。
「い、やだっ」
 秘めた部分を覗き込まれ、羞恥に身悶える。
「でもここは、悦んでる」
 勃ち上がった部分を指され、己の醜態に涙が溢れて止まらない。
「すぐ泣くところも、…かわいい」


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