02 隆正より7才年下の秀司は、高校の制服であるブレザーを着ている。サッカー部に所属している秀司は、細身の隆正に比べて、ほどよく筋肉質な体躯で逞しい。顔も整っていて、女子にモテるはずなのに、なぜこんな触り方をしてくるのか、隆正には理解できない。 隆正と秀司は、小さい頃は仲のいい兄弟だった。しかし、中学に入った頃から秀司の態度が一変し、隆正に対して冷たい態度を取るようになった。それからは、隆正が話しかけても、秀司が無視をするため、自然と兄弟の会話はなくなっていった。 そんな秀司が、つい1ヶ月前、これまで何年も隆正を避け続けていたのに、急に隆正と同じ電車で登校するようになったのだ。急に距離を詰めてきた秀司に、隆正は最初こそ困惑したが、嫌なことではないので、秀司に何を言うこともなく、受け入れていた。 そして、毎朝一緒に通勤するようになって2週間ほど経った頃、電車内で秀司が突然、隆正の身体を触ってきた。ただのスキンシップかと思ったのも束の間、その手付きは兄弟に対してするものではなかった。 隆正がいくら止めても、秀司は聞く耳を持たない。それ以来毎朝、隆正は弟に痴漢され続けている。車内で騒ぎ立て、弟を痴漢犯にする訳にもいかず、隆正は秀司にされるがままになっていた。 「秀司…っ」 秀司の手が隆正の先走りで濡れ、ぬちぬちと音を立てる。隆正はその音を誰かに聞かれて、気づかれてしまうのではないかと気が気でない。隆正の隣で背を向けて立つ男は、イヤホンをして音楽を聞いているようだが、いつ背後で行われている異変に気づくか分からない。 「秀司、手離せ。…もうっ、…イくから」 己を刺激され続け、隆正はもう限界だった。隆正が拒否すると、決まって秀司はより酷くする。 案の定、秀司は追い打ちをかけるように、扱く手を素早くする。 「秀司…、―――っ!」 達してしまった。秀司の手が、隆正の白濁で濡れる。 隆正の罪悪感と羞恥に歪んだ口に、秀司が濡れた指をねじ込む。 「んぐ…」 「舐めて」 隆正に有無を言わせぬよう、指で舌を絡め取られる。否応なしに、口の中に青臭い匂いが広がる。自分の精液を舐めていると思うと、気持ちが悪い。 「飲んで」 飲むなんて、出来るわけがない。 抗うように、秀司の指を軽く噛む。反射的に、秀司の指は口から出ていこうとしたが、すぐに戻ってきて、口内を蹂躙する。堪らず、溜まった唾液と共に、自分の精液を飲み下してしまう。 「ごほッ、ごほッ…!」 喉に貼りついたような感覚に、思わず咳をしてしまう。はっと辺りを見渡すが、誰もこちらを気にしていない。 隆正がほっとしたのも束の間、背後でカチリ、と小さく音がした。不審に思い、肩越しに振り返ると、秀司が小さな折り畳みナイフを手にしていた。 -家庭内密事- -彼の衝動- |