03

次のステップに進んだ二人は放課後に江波の部屋で練習するだけでなく、学校でもトイレや空き教室などの人気のない場所でも練習するようになっていた。そのおかげもあってか、江波のキスも上達してきた。しかし、江波には一つ困ったことがあった。
 今日も昼休みに空き教室でカーテンの陰に隠れながら、二人はいつものようにキスの練習をしている。二人はしばらくキスを続けていたが、いつもより早く江波が谷端から顔を離した。
「どうしたの?」と言って谷端は、なんだか様子がおかしな江波の顔を覗き込む。
「これ以上は、…無理」江波は顔を背けて、谷端の胸を腕で押す。
 谷端は江波の耳元に口を近づけ、「勃っちゃったの?」と少し意地悪を言う。
 その言葉に、江波の顔はみるみるうちに真っ赤になっていく。「お前のせいだろ…っ」
 ここ最近、江波は谷端と深いキスをしていると、自分の意志とは関係なしに勃起してしまうことに悩んでいた。
「そうだね、俺のせいだ」と言って谷端は、制服のスラックスの上から江波の股間をやわやわと撫ではじめた。
「やめろよ、そんなとこ触るなっ」江波は谷端の腕を掴んだが、谷端は「いいから」と言って半ば強引に江波のスラックスのファスナーを下ろす。谷端はそのままパンツの中に手を突っ込んで、江波の敏感なところを握りこむ。そこを上下に擦られると江波は力が抜けてしまい、谷端に喘がされるがままになってしまう。
「……ぁ、…谷端、…やめろよぉ……」とうとう立っていられなくなった江波は、ずるずると座り込んでしまう。
 谷端は手を動かしながら、江波に口づける。谷端が舌を絡ませると、教え込まれたように江波もそれに答えて必死に舌を動かす。すっかりキャパオーバーになってしまった江波は、膨れ上がっていく腰あたりの熱に気を取られて唾液を飲むことを忘れてしまっているのか、口端から唾液を零している。
「……んぅ、…あ……、ッ……」
 江波は谷端とキスをしているとなんだか胸の鼓動が早くなる。人が来るかもしれないというスリルにドキドキしているのか、それとも行為そのものにドキドキしているのかは分からない。もしかしたら、谷端にされているからこんな気持ちになってしまうのかもしれない。
 谷端に股間を強く擦られ、江波はついに果ててしまう。
「―――あぁぁっ、…」
 江波の先端から溢れだした白濁を、谷端が手のひらで受け止める。息を切らした肩を上下させる江波のおでこに、谷端は愛しそうにそっと口づけた。


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