私を見た瞬間、リーマス先輩の友人達がワッと騒ぎ出した。
「リリリリーマスが女の子誘拐してきた!?」
「おいお前幼女が好みだったのか!?」
「そ、そうなのリーマス!?」
私を連れてきたばかりに酷い言われようである。
チラリとリーマス先輩を見上げると笑っているようにも見えたが頬がヒクヒクと引き攣っていた。
「、君達は本当に予想を裏切らないね」
怒っている。
先ほどまで私に話しかけてくれていた優しい声よりずっと低い声がリーマス先輩から出るので思わず身を縮こませてしまった。
その瞬間騒いでいた三人の男の人達はサッと静かになった。
「彼女は新入生だよ。他のコンパートメントが空いてないから僕が誘ったんだ。ジェームズ、これは誘拐じゃないよね?シリウス、僕は別に変な趣味はないし、それに幼女だなんて彼女に失礼だ。ピーターもなんで信じちゃうのかな」
「「「ゴメン」」」
淡々と怒りを表したリーマス先輩に三人がすぐさまピシっと背筋を伸ばして謝罪を口にする。
はしたなくもポカンと口を開けた私に最初に話しかけたのはくしゃくしゃ髪の人だった。
「君もゴメンね、驚かせちゃったみたいで悪かったよ」
「えっ、いえっ、あの、大丈夫です、」
くしゃくしゃ髪の人がそう言いながら目が合うように屈んで近付いてきたのでしどろもどろになりながら返すと、彼もまたリーマス先輩のようににっこりと笑ってくれた。
開けていた口を元に戻してぎこちないながらも笑い返したところで、手を繋いでいてくれたリーマス先輩が全員に私を見せるように軽く前に押し出した。
そしてまだ名乗っていないことに気付き慌ててまた口を開く。
「あのっ、私、オリヴィア・ウィーズリーです。よろしくお願いします」
「オリヴィアだね。僕はジェームズ・ポッター。リーマスと同じ、グリフィンドールの7年生さ」
「僕、ピーター・ペティグリュー。よろしくね」
「俺はシリウス・ブラック。ウィーズリーってなんか聞いたことあるような、」
くしゃくしゃ髪のポッター先輩が名乗ると、ペティグリュー先輩、ブラック先輩も同じように自己紹介をしてくれる。
ブラック先輩が呟くようにウィーズリーと言うので私もパパとママが聖28一族ついて少しだけ話していたことを思い出した。
「わ、私も、ブラック家って聞いたことあります、。でも、ブラック先輩はなんだか聞いてた感じと違い、ます、ね?」
私が聞いたブラック家というものは純血主義で例のあの人側だというものだったけれど、目の前に立っているブラック先輩はどうもそんなふうには見えなかった。
だから予想外という意味で違うと口に出すと、ブラック先輩がポッター先輩と同じように屈んでズイっと近寄ってきたのでびっくりして尻切れになってしまう。
「そりゃ嬉しいな。オリヴィア、お前見る目あるぜ。俺自分の家が大嫌いなんだ。だからブラックじゃなくてシリウスって呼んでくれ」
「は、はい!シリウス先輩っ」
近寄ってきた距離が案外すごく近くて、ドアップで目の前にあるハンサムな笑顔に必要以上に大きな声で返事をした。
なんだか恥ずかしくてリーマス先輩の後ろに隠れさせてもらった。
それを見ていたリーマス先輩が頭上でくすくすと笑い声を漏らす。
「ねぇオリヴィア、僕のこともジェームズって呼んで」
「ぼ、僕もピーターでいいからね」
「、ジェ、ジェームズ先輩と、ピーター先輩、」
リーマス先輩の後ろから、恐らく赤くなっているだろう顔を少し出してファーストネームで呼ぶことを許してくれた先輩達を見る。
真っ赤な顔を見せるのは恥ずかしいけれど、仲良くしてくれる先輩達に対する嬉しさの方が勝っていたのではにかみながら早速呼んでみると、にこやかに笑っていた先輩達が急に真顔になり手のひらで目を覆った。
本当にいきなり真顔になるものだから私は何かしてしまったのかと思い慌ててリーマス先輩を見上げると、リーマス先輩は緩やかに微笑むだけで何も言ってくれない。
訳がわからず困って眉を下げると、目を覆っていたジェームズ先輩が私と向き合った。
「オリヴィア、君は天使か何かかい?」
「僕は妖精だと思う」
「、、え?」
まじまじと私のことを見ながら言うポッター先輩とピーター先輩の言っていることがわからなかった。
天使、?妖精、、??考えるほどわからなくなる発言にゆるく首を傾げる。
「無意識にやってんなら将来大物だな」
シリウス先輩までもがよくわからないことを言うのでリーマス先輩を見上げて目で助けを求めた。
「ほら、君達いい加減オリヴィアを困らすのやめなよ」