episode.4

唐突に始まった質問タイム。彼がいるとややこしくなるので、ガールズトークと称していったん外に出てもらうことにした。ついでに、夕飯を買ってきてもらおう。
 いつまで言葉がわかるか分からない。次来た時にはもう意思疎通は難しいかもしれないし、今日だっていつまで持つかわからない。
おはなし?と目を爛々と輝かせている子猫の期待に応えるべく、早速質問を考える。

「はるちゃんは、お留守番の時いつも何してるの?」

 ペットカメラもない部屋だから、彼も気になるだろう。
いつも帰ってきたらドアの前で鳴き声がして胸が痛いと言っていたし、ずっと私も気になっていたことだった。

『お留守番?』

お留守番がよくわからないのか、不思議そうな顔をしている。

「おうちにはるちゃんしかいないとき、なにしてる?」
『この部屋にいる人、急にいなくなっちゃうからずっと呼んでるの。
でも、戻ってこないから、一人で遊んだり、お昼寝して待ってる』

 言葉を失った。きっといい子でお留守番できるだろう。なんて思っていたけれど、この子にとってはそうじゃなかった。
そもそも、お留守番なんてわかっていなくて、ただ、いなくなった。そう思っていたんだ。