食べ物夢小説集

>>ヤマさんと枝豆
「二階堂さん、どうか明日の朝10時に事務所の中庭に来てください♡人の命がかかっています♡どうか、お願いします……♡一生のお願い♡ 」という謎のラビチャが昨晩遅くに名前さんから送られてきた。ミツと飲むって言ってたし、たぶん酔っ払って爆笑しながら「大和さん困らせようぜ!」とかいう流れになって、送ってきたのだと思う。名前さんとはただの同じ会社に雇われている者同士、ただし過去にうっかりワンナイトしてしまった仲……という感じなのだが、あまりにひどい文面である。酔っ払いの名前さんがあることないことミツに話していないことを祈るばかりである。というわけで、オフだというのに俺は事務所にきていた。既に来ていた名前さんは木から枝豆をせっせと外している……どうやら俺は遅刻したらしい。

「二階堂さん。ようこそいらっしゃいました……ご覧の通り、枝豆もいでいただきますよ」
「人命は?」
「あるじゃないですか、ここにふたつ。もぐまで帰れませんよ」
「枝豆ってこういう木に成ってるんだな……」
「番組で扱った大将のやつじゃないんですけど、これも人気のやつですよ。一生懸命もいだやつはきっとおいしさも一入……頑張りましょう」
「待って、あの積んであるやつ全部!?」
「全部です!」
「むりむりむり、お兄さん帰らしてもらう」
「ダメです!昨晩運動部とやった賭けドンジャラに勝って三月さんから今日の二階堂さんを自由にできる権利を買いました!!」
「ミツ!?」
慌ててラビチャを開けばミツから「ごめん、大和さんの人権は名前さんに売られたからよろしく」とメッセージが入っている。百さんからも頑張れ!というRe:valeの公式ラビチャスタンプ(無駄に動いて喋るやつ)が送られてきている……(十さんはたぶん、記憶がないパターンだと思う)

「逃げ場、ないですよ。っていうか私も既に二日酔いで死にそうなので、手伝ってくれないとここで転がって泣きます……」
「見たいような見たくないような……っていうかあの3人と酒で競っちゃだめでしょうよ……馬鹿みたいに飲む人たちじゃん」
「ウッ……もう二度とあんな無茶な飲み方しない……」
「それ何回目?まあいいや、とりあえず全部外したらいいんでしょ。さっさとやって帰ってミツに茹でてもらってビール飲も……」
「ウウ……」
ガンガン痛む頭をおさえ、名前さんが芝生に這いつくばって枝豆をもぎ始めた。たいして強くないんだから、無理な飲み方しかしない運動部の飲み会に呼ばれていくのやめたらいいのに。

「いくらいい人たちだからって、男3人の中で馬鹿みたいに飲むのやめた方がいいよ。危ないだろ。けだものと、うちのかわいい顔したオスと、あの百さんじゃん」
「……二階堂さんには言われたくない……」
「……そりゃそうだ……」
酔っ払ってワンナイトした後知らんぷりしてる男に言われたくないよな……名前さんは話は終わったとばかりに這いつくばってたまに吐き気に呻いたりしながら枝豆をぶちぶちもいでいった。あーあ、まずはカラダからなんて馬鹿なことしなけりゃよかった……


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