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私たちはグラウンド…ではなく、満開の桜が囲う人道橋を歩いていた。
部室の騒ぎや今朝の件のこともあり、入部希望者は明日来てくれ、と言われてしまい、結局私たちは帰宅することとなった。
とはいえ、天馬や信助に、もう来なくていい、と声をかけたキャプテンの言動を思い返せば、誰も入部させる気がないのは明白だろう。

「大波乱の中学生活一日目だったね!」

元気な葵に対して天馬は沈んだ表情で頷く。
本人は既に入部した気でいたのだから、無理もない話だろう。

「ねぇ、気持ち切り替えよう?明日テストなんだからさ」
「それなんだけどさ!」

葵は信助の言葉に立ち止まり、人差し指を高くあげる。

「私も入部するよ!」
「え?どこに?」

そのボケに呆れたように顔を引きつらせる。
「サッカー部だよね」と聞けば、葵は元気よく頷く。

「私、マネージャーやる!似合うと思わない?」
「僕、いいと思う!」
「でも、一つ気になることがあるのよね」
 やっぱり、マネージャーもテストやると思う?」

その問いに思わず、みんなで顔を見合わせる。

確かにマネージャーだとしても知識があってこそ、選手のサポートができるのだから知識があって損は無い。
今朝の騒動でマネージャーは皆辞めてしまったとのことなので、来る者拒まずとまでは行かずとも、人材は欲しいだろうし、無知だからといって入部を拒否されることは無い気もするけれど。

「やるんじゃないの?」
「じゃあさ、マネージャーのテストってどんなの?」

その問いにはお手上げなのか、2人はうーん、と頭を悩ませるが案は出てこない。

「それなら、やっぱり、サッカーに対する基礎知識テスト、とかじゃないかな」

その答えに「確かに!私に出来るかな」と深く頷いた葵はふと、思い至ったように声を上げる。

「そうだ、芥ちゃんも一緒にやらない?」
「私も?」
「うん!ここで出会ったのも何かの縁だもん!一緒にやろうよ、マネージャー!」

葵はそう言って私の両手を掴む。
剣城はきっと、フィフスセクターとして活動する姿を見られたくないだろう、と何となくわかっていた。

「無理強いは良くないよ」

考え込む私を見兼ねたのか、天馬が助け舟を出す。

「そ、そうだよね!ごめんね、せっかく女の子の友達ができたから、一緒に出来たら嬉しいと思ったの」

しおらしく謝る葵を見て、悪いことをしたわけではないのだが、良心が痛む気がした。

「…ちょっと、考えさせて貰ってもいい?」

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