イヴとアダムの出会いは劇的か
ちょっとした昼下がり。人のいない小さな公園で、金髪の少女はブランコに乗っていた。長い髪を適当に一つに纏め、気怠げな雰囲気をもつ少女は6つにも満たないくらいだろうか。
暫くブランコに揺られていたが、少女は何かに気付いたように、ブランコから飛び降りる。
「貴方はだれ?」
少女の目の先には少年が1人。細い身体と小さな顔、歳は少女と同い年か1つ下くらいだろうか。
少年は少女をちらりと見、そして機嫌悪そうに顔をしかめる。
「それは僕のだ」
少年の言葉に少女は首を傾げる。
「それってブランコ?」
「ああ」
「それって変。だってこれ、みんなのだもん」
少女の言葉に少年はさらに不機嫌そうになる。さらに少女は言葉を続ける。
「だいたい、あんた態度大きすぎ!えらそうにして、何様のつもり?」
ざわ、と空気が変わる。
その瞬間、少女の周りを強風が吹き荒れる。それは少女に徐々に徐々に近づき、少女を少し傷つける。
「…僕は特別だ」
泣き叫んで逃げて行くだろう、少年はそう思っていた。実際、いままで少年が傷をつけた子供はみんな逃げて行った。しかし、少女は違っていた。
「どこが?私もできるよ。不思議なこと」
一斉に咲く、季節外れの花。少女は笑ってそういった。
(ないすとぅみーとぅ、)
(秋に咲くピンクのお花)