人は神にであった記憶を持てない
私が話終えれば、リドルくんは少しだけ引きつったようなそんな笑みを浮かべていた。
「まあ、私がホグワーツに入る年にブラック来なくなっちゃってさー」
7年近くあってないや、と言えばリドルくんは頭を抱える。
「…ホグワーツにはいないのかい?」
「うんいないかなって。年下で黒髪の子は孤児院出身者いなかったもん」
自寮は勿論、他寮生も。スリザリンの下級生にも話しかけたから間違いないと思っているとリドルくんは引きつった笑みを深める。
「どうして年下なの?年齢教えなかったって言ってたよね」
「だって、細くてちっちゃかったもん。私より10センチくらい身長低かったね、あの子」
私の返事に不機嫌になるリドルくん。
…なんか彼、凄く気分変わりやすいよね。そして顔に出やすいなあなんて。
「子供みたい」
「はあ…?」
こっちを見るリドルくんに、そろそろ夕飯に行こうと誘う。リドルくんはまた小さく溜息をつき、杖を一振り。
「いくよ」
「ちょ、私の荷物」
私の荷物と自分の荷物を持って図書館を出て行くリドルくんを私は追いかけた。
(さむでい!)
(いつか会えないかななんて)