狒狒に捕まる半子と仙子

こちらのシリーズは
※「血の伯爵夫人/エリザベート・バートリ」にインスパイアされた夢主が出ます
※グロい描写が多いので苦手な方は絶対に読まないでください
※倫理ゼロ
※レイプシーンや妊婦が殺されるシーン等あります

なんでも大丈夫な方だけどうぞ!








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※「血の伯爵夫人/エリザベート・バートリ」にインスパイアされた夢主が出ます
※グロい描写が多いので苦手な方は絶対に読まないでください
※倫理ゼロ
※レイプシーンや妊婦が殺されるシーン等あります

なんでも大丈夫な方だけどうぞ!






 山に隔離された姫がいる。既に縁は切られたようだが。
 町の人々は最初こそ、ドクタケかチャミダレアミタケ、どちらが捨てたのだろうか。いや大穴でスッポンタケのとこの血縁者だったんじゃないか。などと騒ぎ立て、果てには女が住んでると噂の小さな城を、肝試しやら賭けやらに使い始める者までいた。
 それも彼らの地域が戦で大忙しになると、次第にその噂は消えていった。





 それから数年も経つと、噂を覚えている者もほとんどいなくなり、城に住む名前はようやく平穏な時を過ごすようになるが、それと同時に彼女は自身の欲望が抑えられなくなっていた。
 城主の──かつては叔父であった男が最後の慈悲で寄越した忍び達に、辛抱ならぬと女は愚痴る。すると忍び達は待っていたぞと言わんばかりに口元に弧を描いた。

「貴女様ほどの美貌をお持ちなっておいて、何を躊躇っていましょうか。わたくし達は貴女様のご命令ならなんでもいたしますのに」
「……それならうんとかわいらしい女の子たちを集めましょう。最近血を浴びれてなかったから老いを感じてきて嫌なの」

 忍び達は悪魔のように笑う主に心底陶酔して、下がって良いと言われれば、数年かけて作っていた拷問部屋を一つ一つ確認し、町の女たちを攫う計画を立てた。








「そういえば、聞いたかい留三郎。狒々(ひひ)のはなしを」
「……ああ、仙蔵から聞いた。町の女が次々に攫われていると。俺は妖怪なんかの仕業じゃないと思っているが」
「うん。僕もそう思っているんだ。仙蔵はもちろん、学園長先生を含め先生方もね。できるようなら、課題として上級生たちで調査をしてきなさいと仰っていたよ」
「それならやるしかないな。どんな相手だろうと俺が倒してやる!伊作、準備ができたら教えてくれ!」
「い、いまからかい!?」

 武器を携えて今にも走り出しそうな留三郎を、伊作が苦笑しつつ止めて言う。狒狒を見つけるよりかは、狒狒に見つけてもらう方が何倍も効率的だろうと。男の姿じゃ難航するのは目に見えていた。
 そして彼らは女性として町に出るが、夜になっても誰にも話しかけられず、聞き込みをするも具体的に手がかりになるような話はなかった。酒瓶を片手に、千鳥足で帰る男に会うまでは。

「ひっく……あ〜、まぁたかわいい子が食われちまったよぉ〜!団子屋の嬢ちゃんもお気に入りだったのによォオ」
「ん?……もし、そこの方。あなた狒狒のことについて何かご存知?」
「ヒェッ、おまえみたいな醜女は食われん!安心して眠れェイ!」
「なんだとこのッ」

 留三郎、もとい留子の肩を抑えながら、後ろからいさ子が更に尋ねる。

「狒狒は選り好みをしてるということですか?」
「んァ?そらそーだ。ただの猿風情とおもっちゃいけねーよ、かなり賢いだろうなぁ。なんせ俺好みの女はみーんな食われちまってんだから!」

 大口を開けてひとしきり笑うとその男は、すすり泣くようにして通りの向こうへ消えていった。
 伊作と留三郎は顔を見合せて、美しい女だ、と頷きあった。そして少しすると、遠回しに自分たちが狒狒のお眼鏡に叶わなかったことを知り、じわじわと怒りを燃やした。







 一方その頃、狒狒の城では。不幸にも彼女に好かれてしまった可哀想な女が五人、ギュッと麻縄に縛られ捕まっていた。
 その中には半子と仙子もおり、彼らの侵入は大いに成功したと言えよう。もともと別行動を取っていた彼らだったが、町を歩く女たちの中でも、栄えある美女コンテストに受賞したようで、行き着く先は血と悲鳴に満ちたこのステージであった。

「かえしてよぉ……かえしてぇええ」
「お願いします殺さないでくださいお腹に子どもがいるんですおねがいおねがい、おねがい」

 口々に助けを乞う女たちにいたたまれなくなった彼らは、冷めた目をして対峙する狒狒に「私たちには何をしてもいいですから!彼女たちだけでも解放してください!」と積極的に犠牲になろうとする。
 名前はそんな気の強い女たち──正体は男どもであるが、の態度にこう零す。

「陽を見ることもできずに死ぬなんて、可哀想な赤ん坊じゃない?」

 半子は自分の浴衣が隣に座る妊婦の漏らした尿で濡れていくのを感じ、事態は思っていたより深刻であることを認識した。
 しかし今武器を手に取っても、気が動揺している女三人を背にして、狭い部屋で戦闘に移るのはかえって危険になり、半子としてどうにか狒狒の注意を引きつけることしか出来なかった。

「まってください!私なんでもしますから、ね?……あ……くっ……」

 暗転。首に刺さった何かによって視界がぼやける。
 半子は朦朧とする意識の中抵抗を見せたが、麻痺した体では何もできなかった。意識をガックリと落とした四人の様子を見てから、自分も同じように意識が遠のいていくのを感じた。








 半子が目覚めると、己の手は壁に固定されている手錠に繋がれており、足も同様、床から少しも離せずじまいにっていた。持っていた忍具は当然ない。仙蔵も女たちもいない。浴衣は着ているものの、かなり乱れており、彼の頭には、性別がバレてしまったのではという不安が膨らんでいく。
 脱出方法の模索や現状確認をしていると、何者かの足音が聞こえてくる。あの女だ。狒狒と呼ぶにはあまりにも美しく、艶かしい容姿をしているが、やっていることはやはり妖怪の類と同等だ。半子は檻の中から女を睨みつけた。

「檻に鍵はかかってないから、逃げてもよかったのに。……私を待っててくれたの?」

 そういって檻の中に入ってくる彼女の所作は、嫌味にも貴族の品を感じる。
 キツく拘束されている手を一瞥され笑われるが、半子は黙って続きを促した。この美女が自分たちを運んだりできるほどの怪力にも、忍にも見えないのだ。つまり彼女の他に、腕の立つ協力者が居るのではないかと疑っていた。
 しかし半子がこの城を逃げ出すには、情報があまりにも欠如している。四人を無事に連れ逃げ出すには、焦りは禁物だった。

「綺麗な顔をしてると思ったの。でも町で見かけるのは初めてだったから、貴女を手に入れるなら今日しかないって」

 女は半子の開かれた足の間に膝をつくと、震えながら浴衣に手を伸ばした。

「なのに男だったなんてッ!」

 捲れた浴衣からは、男の象徴であるそれが股に鎮座しており、名前は激しい怒りを半助に見せる。そしてそこを力任せに掴んだ。

「ぐっあ"ぁ"ぁ"ッ!はな"せッ!い"、ぐっ」
「これじゃあ湯船につかれないじゃない!半身浴でもしろって言うの!?ありえないッ」
「なにをい"ッ!あ"ァァア"ッ!」
「泣けばいいのよそうやってッ!このっ、ふざけた男女が!…………ふぅ、やだ、シワが増えちゃう」

 股間を握っていない方の手で鏡を持って、彼女が自分の綺麗な顔を執拗に覗き込んでいる間、半助は今まで感じたことのない痛みに打ちひしがれていた。安定した呼吸を取り戻そうと、肩を上下させて空気を取り込んだ。
 その時になってようやく気づいたが、女はおぞましいほど血の匂いを纏っていた。先程の数百倍の不安が半助の脳裏に過ぎる。

「……はぁ、ぐっ……他の四人をどこへやった」
「やだ、その野蛮な話し方。私本当は女の子としか話したくないんだから」
「そんなことどうだっていい。早く答えッぐ、あ"ぁ"ぁ"あ"ッ!」
「あんまり生意気なら、もう一人の男女も殺してしまおうかしら」

 息を飲んだ。仙蔵はまだ生きているらしい。半助は感情を押し殺し、五車の術を使うことを試みる。

「……どういうことかしら。彼以外は殺してしまったとでも言うような口ぶりね」
「そっちの話し方のほうがいいわ。……ああ女の子達は殺したけど。知ってる?美しい処女の血は美容の効果があるって」

 半子の手を拘束する鎖が唸る。

「なにをっ……!」
「昨夜は五人分の血を絞って贅沢に湯浴みを楽しもうと思ったのに。五人中三人が使い物にならないから困ったわ。あの女が子持ちだったなんて……ッ!……ふぅ……ふふ、非処女が一人と男が二人。ふざけてると思わない?」

 女が必死に平常心を保とうとする。半子は少しでも彼女の機嫌を損ねれば、自分はおろか仙蔵を生かして帰す機会もなくなるだろうと慎重にいた。
 女の話すことはどれも、半子の精神をすり減らすような異常な話ばかりで、昨日までただの町娘として生きていたはずの三人と、これから産まれてくるはずだった赤ん坊のことを考えると狂ってしまいそうであった。

「美容には何の役にも立たないでしょうけど、貴女くらい綺麗な子を捨ててしまうのも勿体ないから、何日かは遊んであげようかしら」
「……あら嬉しい」
「その態度も改めることね。仙子が明日どこで寝ることになるかは貴女次第なんだから。犬の腹の中でも良いのなら続けなさい」
「も、申し訳ございません……おねがいですから」

 名前がくつくつ笑いながら、半子の前に顔を近づける。仮初の主がなにを求めているかわかった半子は、艶のある唇に自身のを重ね、舌でそれを割開いた。女の口内は冷めきった牢屋とは反対に温かく、頬を撫でてくる手は柔らかく、術に嵌っているような心地であった。血の匂いがなければ半子はそのまま思考を絡め取られていたかもしれない。

「ん"……んッ!?んぐッ……そんな、尻は……」
「尻?……ねえ、貴女は女の子なんだから、違うでしょう」

 名前の低い声は半子を容易く縮み上がらせる。

「せ、性器、はどうかご勘弁を……」
「私、性に奔放な、ちょっぴりはしたない子が好きよ」
「……おまんこ、を……さわってください……」

 半子が処女を差しだし女の機嫌が良くなると、「今日は仙子も殺さないであげる。貴女が彼女の命を救ったのよ」と半子の自己犠牲に付加価値を見出させた。
 それから夜中になれば女以外の何者かが姿を現すかもしれないと、半子は寝たフリをして様子を伺うが、音は一切聞こえてこない。しかし監視を全くしに来ないというのは信じ難い話。半子は屋根裏に意識をやってから、ほんの僅かに掠め取れる何かの気配に自分以上の実力を感じて、周りの助けを待つ方向に舵を切った。




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