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嫉妬してしまった竜胆は普段より、ちょっとだけ面倒くさい。というのも他の人と比べれば死ぬほどに面倒なのだが。常日頃からメンヘラを拗らせている彼女の心の波を考えると、病んでしまった時と常時の差があまりないという理由から"ちょっと面倒"で片付けているだけである。
そしてそれを相手取る名前も資格を持ったカウンセラーなどではないため、患者に振り回されれば、疲れて攻撃的になってしまうこともしばしば。
「は、ハァ!?これ蘭ちゃんから貰ったルージュだったのに……!待って、ねえ嘘、こんな割れちゃうことある……!?」
そして名前は今現在進行形で灰谷竜胆に困らされていた。それなのに加害者のはずの竜胆は、大きく零れ落ちそうな瞳から大粒の涙をこれでもかという程流し、根元から立ち上がるバサバサのまつ毛を湿らせている。ましてや名前のため息を拾うと更にえぐえぐと声をあげて泣き出して、挙句の果てには咳き込んでしまったり。
姉に比べてまだ落ち着きがあると言われていた竜胆とは思えない行動が、この場を言葉にし難い不穏さで掻き立てていた。
「高いやつだしもうこのパケ出てないし……さいっあく……」
名前は赤い液のついたルージュの破片を切なそうに拾う。自分では買えない高価なそれを、いとも容易く破壊してしまった竜胆に、とうとう堪忍袋の緒が切れそうだった。そこに、気遣う余裕もなく油を注ぐ竜胆。
「だって、だってオマエがオレといんのに姉ちゃんの話ばっかするからじゃん!オレがあげたグロスより使ってるし!てかオレがあげたやつ使ってんの見たことねえ!訳わかんねぇ……ッ!なんでオマエはオレに気ィ遣ってくんねーの!?普段使わない色だとしたってせめてオレの見えるとこでは持ってくるくらいしてもいいじゃん!!」
泣き叫ぶ竜胆の腕から、半開きのスクバが落ちる。そのまま倒れてぶちまけられた中身はローターやらバイブやらの、健全とは言い難い玩具であった。それを見て静まりつつあった怒りが蘇ったのか、名前は言葉を吐き捨てるように連ねる。
「は、散々私に不満言っといて自分は気持ちよくなりにきてんだ。笑える。竜胆は私が好きなんじゃなくて、気持ちよくしてくれんなら誰でもいいんでしょ」
名前の瞳の冷たさが竜胆の心をグサリと抉った。竜胆は今日の放課後、様々な生徒たちの波を掻い潜り押し退けて、名前と一緒に帰ることに成功した時にはまさかこうなるとは思っていなかっただろう。彼女の手は絶望からカタカタと震えている。
「ちが、ちがうっ……ちがう!いやだ、ちがう、そんなことない……!オレが好きなのはオマエだけなのに……そんなこといわないでっ。違うのに、ちがうのにぃ……っ。うぅ、うぅうっ……」
ヒステリック気質な彼女は、想い人に自身の恋心を否定され、崩れ落ちるように泣き始めた。名前の言ったことを、「それだけはありえない」と口にしたくとも、短い言葉しか出てこないようだ。例えるなら子どもの喃語みたいに。そうしてしゃくりあげて、もうメイクすらどうでもいいというように手で顔全体を覆う。
ここにきて竜胆は自分がやってしまったことをやっと反省し出したのか、「ごめん、ごめんなさい」と許しを乞うが、正直後の祭りであった。
実際に悪く思っているのか、名前に怒られるのが嫌だから謝っているのか、そんなことはどうであれ、"壊れたものは戻せない"。それだけは確かであった。同じものを手に入れたとて、蘭が名前の為に選び、購入し、贈った気持ちまでもを込められる人間はいない。当時の蘭にしかできないのだ。
そんなことを考えて切なくなった名前は、自分と違って感情を殺しもせず泣く竜胆が羨ましくなった。彼女の目の下を黒く汚すマスカラが、なんだか自由に見えた。
「う、なまえ、ごめん、ごめんっ……」
「…………あー、うっさいなぁ。もういいよ。こんな道具ばっか持ってきて。そんなヤりたいなら1人でマンズリぶっこいてろよ」
竜胆の発言を敢えて無視して玩具を拾う。以前も使った透明のディルドを彼女の頬に当て、ただ「ヤれ」とだけ述べた。
これまで名前に人生を振り回され続けてきた竜胆は、ここで「なんで?」と聞いて良かった試しがないと、そして彼女に構ってもらえる喜びから「うんっ……うん……っ」なんて返事をして、呼吸を落ち着かせながら服に手をかけた。
***
放課後の帰路は家に続いたものではなく、灰谷姉妹の息がかかった、闇寄りの人物が経営するカラオケ店であった。そこの奥の奥、ただの客では入れない、六畳くらいのカラオケルームで彼女達は喧嘩をしていたのだが。
「クリ皮剥かないのは甘えでしょ」
今では名前の命令により、その一室がラブホテルのような用途で使われていた。ほぼ姉妹のVIPルーム的なものなので、監視カメラなどはどこにもなく、他の部屋より質の良いソファと大きな液晶画面が堂々と壁に鎮座している。そしてそんな所で竜胆は自身の陰部を必死に触っていた。
「むくっむくから!……ん、ほら……ここ摘んで……っ♡♡うえに、クイって♡♡んぁッ♡むけた♡包茎クリちんぽ、むきむきできたぁ♡」
実況しながらも、竜胆はスカルプネイルの施されたギャルギャルしい爪の先でクリ皮をむにゅん♡と剥く。出てきたそれは普通の人より大きく長く、既に勃起して刺激を今か今かと待ちわびていた。
すると「剥いただけで気持ちよくなってんじゃねーよ」と更にキレた名前が、踵に潰すつもりといってもいいほどの力を乗せ、竜胆のクリトリスを踏みつけ──
「ッWッWッWホWォW!?───オ"ッお"ーーーっ♡♡♡蹴っちゃだめええっ♡♡まんこ"し"ぬぅう"ッ♡」
「とっととシコってメス汁出して死ね」
「やぁあ"ぁあ"ぁ"っ♡♡♡ちゅぶっ♡つぶれりゅッッ♡う"ぁぁっ♡♡」
とても一般性癖の人間には、耐えられないプレイが行われるこの部屋で。竜胆は尻まで垂れた愛液を更に分泌し、ソファをびっしょりと汚していた。それでもマングリ返しの体勢をやめることはなく、5センチ弱の、少年の性器のようなクリトリスを突き出し名前に媚びる。
媚びられた彼女は、疲れたと言わんばかりに反対側のソファに腰を下ろすと、足を組んで竜胆の痴態を眺め始めた。
「ん、んっ♡や、アァアッ♡♡……はぁっ♡ふ、ん……あ、なまえっ♡オレが今から、おっぱい♡自分で吸うとこ見てて?♡……あ♡乳おもてーから♡持つの手伝わせてやっても……ンギィっ!?♡♡ちく"びッ♡♡持つとこ違うっ♡ち"く"びとれるぅっ♡♡♡ォオッ♡きもぢぃWイWィWッ♡♡」
「この乳首、ちんぽみたいにシコれるんだけどどうなってんの?クリも乳首もちんぽみたいでさ。ちんぽ3つ持ちなんて中々いないよ」
お椀型とは違って長いと言った方がしっくりくる乳房から生えた薄桃色の乳首。その乳首もまた、髪ゴムが5つはかけられる程長く大きく開発されており、名前はそれを痛いくらいに引っ張った。無理に持ち上がって下乳と共に見えた付け根は、汗で湿って蒸れていた。
「ちんぽじゃねえっ♡あんっ♡オレにちんぽなんて汚ねえのっ、ついてねえからッ……んほぉ♡ち"くびちゅぶれりゅっ♡♡」
「きったねえメス汁出せるクリちんぽスイッチ持った女が『ちんぽは汚い』とか言わないの♡同類♡悪い子♡」
名前は組んでいた足を下ろし前のめりになると、竜胆のその"クリちんぽスイッチ"を高速でカリカリ♡と弄り、絶頂を促した。
「ンギィィィィッ♡♡♡イぐぅっ♡イぐ♡イッッッッ♡♡♡……ッオWホォ……オォWンぅ……♡♡ウWッ♡♡んはっ、はぁ♡きゅうけ、あっ!だめ!きゅーけーしゅるっ……ああぁぁあっ♡♡オ"ーーッ♡♡キくぅ♡手マンキくっ♡♡じーすぽおかしゃれてアクメキ"めるっ♡♡イきましゅ♡っあはぁ♡♡イきまっ、あひぃ♡イっ♡イっくっ♡♡」
ビューーーーッ♡♡♡ビュルビュルビュル♡♡ぴゅっ♡
癖づいた潮吹きが止まらず、最早尿が床へ落ちるような音を響かせながら、竜胆は腰をヘコヘコ無様に振る。快楽の余韻を長く長く味わおうと、仰向けのまま尻を持ち上げまんこを空振りし、メス汁まみれの名前の指を下品に舐めしゃぶった。
「きもちぃいっ♡♡おまんこ好きぃ♡指マン好きなのっ♡」
「やっば。自分のマン汁進んで舐める変態なんてオマエくらいだよ」
「んむぅ♡♡んちゅ♡じゅるっ♡♡」
竜胆は彼女の指に赤子のように吸い付いて口を離さない。その間名前が竜胆の艶っぽい唇から目線を落とすと、彼女の着ていた制服が唾液や潮やらを吸収し、重くなっていることに気づいた。なんとも言えない性の匂いが視覚からでもわかる。大きく空いたブラウスから飛び出た胸は、楕円を描くように揺れた。
今や動物と呼ぶにも、動物に失礼な気がするくらい理性のない竜胆は、どんな人でも欲情させてしまいそうな程に性の魅力に満ち満ちているが、気分屋で有名な名前は彼女に飽きて、情けなのか片手だけは竜胆に寄越したまま、もう片方の手で自分が歌う曲を検索し、今更カラオケを正しく使いだした。
「あ、あっ……まだおわりたくねぇ……」
それをよく思うわけのない竜胆が、精一杯の可愛こぶった声で名前にお強請りを。
「なぁ、なまえー?♡♡…………なあ、ねえ……」
しかし上手くいかないとわかれば、早速竜胆はソファから上体を起こし、ローファーに足を入れる。すると下の水溜まりのせいで、足元からピチャピチャ、と音がした。
名前が好きだと言っていた、十八番の曲を遮ってまで構ってほしいのか、と問われれば勿論欲しい。そうやって自分の欲を優先した竜胆は、下着も履かぬまま、名前の股座に顔が来るようしゃがみ込んだ。
「まんこ舐めさせてほしい……頼む、いっぱいぺろぺろするし、クリも鼻でツンツン♡ってするし……えと、マン汁も絶対こぼさないから……っ」
「……オマエが飲みたいだけじゃん」
チークではなく羞恥心から赤くなった頬を、名前の太ももに擦って言い、追撃のようにたくさんの下品な言葉を並べるも、ただ一蹴、しかも図星なことを返され、狼狽える竜胆。
「う……。の、飲みたいもん……のみたい!のませてほしい!なまえのまんこ嗅ぎたいし舐めたいし食べてえ!いいだろなぁ!オレめちゃくちゃ我慢した!」
名前はとうとう後奏も終わってしまった画面を、チラッと見てから頭が冷えるようにと最大限努める。「どの口が」と顔を蹴飛ばしたくなったのは、名前の加虐性質だけのせいではないだろう。とはいえ名前も、ここで甘やかしておかないと"後々のこと"に響くのはわかっている。なんせ相手は面倒を人にしたような女なのだから。そうして「下着越しなら」と条件を付ければ、竜胆はすぐさま名前のまんこにしゃぶりついた。
「はぁ〜♡♡ん、んっ♡スンスン♡蒸れてるぅっ♡♡このにおいすきっ♡……あー♡♡」
足を気怠げに開いた名前に、そんなんじゃ足りない、と竜胆は強い力で膝をこじ開け、すぐさま鼻のてっぺんを膣穴に押し付けた。朝から今の今までシャワーも浴びていなければ、3時間目に体育を挟んだ名前のまんこはフローラル系の香りでもなんでもないが、竜胆にとっては極上と言っても差し支えないほど欲していたものだった。
「ん、ちゅ♡ぢゅうううっ♡♡は、ぁあっ♡ぱんつじゃまっ♡ぱんつやだぁあ……」
瀕死の動物の鳴き声に似た音色でこれ以上の交渉に出る竜胆だが、名前は聞く耳を持たない。それを見てむぅ、と膨れ面をすると、今度は鼻先のハイライトがこそぎ落とされるくらい、クリにぐりゅぐりゅ♡と鼻を擦り付ける。
匂いに当てられたのか、竜胆は次第にまんこが潤うのを感じ、蹲踞体勢で下品にそこを弄り始めた。
「んんぅぅっ♡♡なめてイく"っ♡♡なまえのおまんこ♡なめていきゅ、うっ♡クリなめながら、オレのクリもコリコリすんのっ♡お"ーッ♡ぎもち"ー♡♡またゆかにお汁たれちゃうッ♡♡ぅう"う"っ♡んぢゅうっ♡ぢゅるるっ♡……ん、ぅー……おまんこの味しないのやだぁ……っ、ううっ、んあっ♡♡」
ここで嘆いて終わる女であれば、竜胆はカリスマ姉妹とは呼ばれていなかったかもしれない。ちゃっかり強欲な女が彼女である。
当然名前の嫌な予感は的中し、己の左足の内ももに顔をくっつけた竜胆が、股座へと豪快に顔を突っ込むのを引いた目で見ていた。そのまま竜胆は分厚い舌を使って、強引にも下着の中へ侵入させると、トロォっと垂れたご馳走に辿り着くことができた。
「ンWンWッ♡♡んぶ♡んぢゅーーーッ♡♡♡んれぇ♡ん♡♡ん♡あイク"っ♡おまんこおいしいっ♡♡♡なまえのおまんこぺろぺろしてイギュっ♡♡んお"♡まんこいじんのとまんね"っ♡♡中ほじってイぐ♡オWッ♡イぐ♡イ"っ♡♡まんじるのんれ♡イッッッッ─────ホ……オ"ォォ"ォ"オオ"ォ"っ♡♡♡♡」
白目を剥きかけながら絶叫する竜胆の声は、廊下に漏れ出ていてもおかしくないほどのものだった。そんな中名前は悪い笑みでひとつ命令を思いつく。自分がイけたかイけてないかはもうどうでもよく、竜胆を虐め抜くことだけが脳にあった。
「あW……♡♡あへ……♡」
「止まんないで」
「ん、あ?……あう"っ♡オ"ォ"っ♡♡」
またしても足先でまんこを蹴られる竜胆。そして快感に浸る間もなくオナニーを強制させられ、どうにか腰を動かし強い快楽を逃がしつつ、まんこ弄りを続行させるほかなくなった。
「ふぅー……♡お……♡ほっ♡♡んぉ♡」
「舐めてんの?潮吹けつってんだよバカまんこ♡」
「あ、や、こわい……♡♡こわいぃ♡」
何を今更というような話だが、名前の上機嫌を仄かに悟った竜胆は、これなら甘えられるだろうと味をしめて可愛こぶる。当然全てを見透かしている名前だが、優しくも彼女に乗ってやって、頭をよしよし♡と撫でることにした。
「ひゃ♡♡あぁぁっ♡がんばるからぁっ♡なまえっ♡オレがんばるからみててえっ♡♡♡だめっだめ♡もーきもちいのく"るっ♡♡イ、いぐ♡なまえイって"もいいよなっ♡ひゃああっ♡♡みみも、ほっぺもなでなでし"てぇっ♡♡んひっ♡イっっっぐぅう♡♡イグゥゥウッ♡♡♡」
ビューーーーッ♡♡♡
勢いが良すぎて跳ね返った潮が、竜胆の尻や桃を濡らす。ヒク♡ヒク♡とまんこが痙攣することすら気持ちいいのか、時折少女らしい声をあげて喘いでは名前に擦り寄った。
「んん……♡♡」
「よくできました。…………ねえ、さっきのさ、私も竜胆に配慮が足りてなかったとは思ったけど、竜胆も次からやめてね?物壊すとかありえないから」
「ごめんなぁ?♡もーぜってぇしねえから……」
「いい子」
「おWッ♡♡」
撫でられた頭に条件反射で甘イきした竜胆は、名前から与えられる束の間の幸せを堪能した。
この後怒った蘭に名前接近禁止命令を出されるとも知らずに。