ご褒美は、、、
とある日の昼間。
仕事もなく彼女と2人ごく普通の時間を過ごしていた。
はずだった...。
数分前まではごく普通の休日を過ごしていたはずなのに、名前が突然僕の手を両手で包みこんだまま顔をあげようとしない。
何かしてしまっただろうか、そんなはずは...
いや、実は名前が悲しむことをしたのかもしれない...。
表情を見ようにも名前の顔は完全に下がってしまい、確認することができない。
「名前...?僕、何かした...?」
すると名前は首を横に振った。
よかった。声は聞こえているらしい。
となると原因はほかにあるのだろうか?
「...突然どうしたの?」
「...あの、あ、あの...あの...」
名前は壊れたCDのように同じ言葉を繰り返しゆっくりと顔をあげた。
「あ、だちさん...」
「ど、どうしたの!?そんなに顔真っ赤にして!!!」
名前の顔が熱でもあるのではないかと思うくらいに真っ赤になっていた。
「あの、えっと...」
「とりあえず落ち着こう?」
「だ、大丈夫です。む、むむ、むしろ今じゃないとダメなんです。」
「ど、どうしたの...」
僕まで焦ってしまう。
僕にも壊れたCDになれっていうの?
「あだちさん。...愛してます。」
真っ赤な顔をさらに赤くして名前はそう言った。
握られた手は緊張で震えている。
名前から愛してるなんて言われたことがないし、本人も初めて言った言葉なんだろう。
「おいで」
両手を広げ名前を誘えばその顔を隠すように胸へと飛び込んできた。
緊張した?勇気出したね。と声をかけると小さくすばるが頷いた。
「よくできました。」
思わず口からそう零れてしまった。
頑張った君へのご褒美は
これだけじゃ足りないんだろうな。
ご褒美は
何が欲しい?