図書室ではお静かに


※学パロ


「先輩ってそういう本読むんですね。」
「名前も読む?」

彼女は首を何度も横に振った。
ここは図書室だというのに、本に1つも興味を示すことなく彼女は僕の後ろを眠そうな表情で歩いてる。
退屈でしかたがないのだろう。

「だから無理して着いてこなくていいって言ったのに。」
「無理、してないです...。」

本棚に背中を預け、眠気に勝とうと必死になっている彼女を小さく笑えば「笑うな」とでも言いたげに睨まれてしまった。

「あ、」
「...先輩?」
「動かないで。」

まさか探していた本が彼女の顔の横にあるとは思っていなかった。
ゆっくりと背表紙に手を伸ばしてみると、顔を真っ赤にした彼女が視界に入る。

「どうしたの?」
「あ、いや、、、なんでもない...です。」

彼女はそう言っているけれど僕にはわかる。本棚と僕に挟まれ距離が近くなったことに緊張しているんだろう。
耳まで真っ赤じゃない....。

「ねぇ、キスしていい?」
「な、なに言ってるんですか...。」
「誰にも見えないから大丈夫。」
「そういう問題じゃ...!」

よく喋るその口を塞ぐように唇を重ね、長く長く口づける。きっと口を離せば彼女は僕に向かってばか!と一言放つことだろう。
なんというか、いつものパターンというやつだ。

「ばか...!」
「君よりはバカじゃないから。」
「それは....はい...。」
「でも、ドキドキしちゃったんでしょ?」

彼女の耳元で囁くと、また少しずつ頬が赤い色に染まっていく。
顔を隠したかったのか彼女が僕の胸元に顔を押し付けるように抱き着いてきた。

「えー、見せてくれないの?名前が照れてる顔。」
「照れてないです。しばらくこのままでもいいですか?」
「はいはい。僕がこれ読み終わるまでご自由にどーぞ。」





帰ろうと思った頃、彼女は僕の胸の中で眠っていた。
それから先の話はまた今度。