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頼みたいことがあるからとりあえず来てくれませんか?
なんて、あれだけ僕のこと嫌がっていたくせに結局かけてきちゃうんだから...。
「なに、どうしたの?」
スバルの家へと尋ねてみると、いつものような険しい顔をすることなくすんなりと僕を部屋へ入れた。
それでも鼻をつくガキの香水の匂い。
...またか。
「頼みたいことって?さっさと帰りたいんだけど。彼氏が帰った後に他の男家に入れるとか以外と軽いの?」
「軽い...そう思われても仕方ないですよね。でも、あなたには気付いてほしかったな。」
急に何言ってんの?気づいてほしい?
意味わかんないんだけど。
発言の意味がわからず天井を見上げた。
その時ふと気づいてしまった。スバルの部屋が殺風景になっていたことに。
あったはずの物がない。
あれだけあった写真が1つ残らず消えているなんて。
「なーんでそういうことしちゃうかなー。僕のためにって?嬉しいけどそこまでする必要ないんじゃない?どこに隠したの?」
「あそこです。隠してませんけど。」
スバルが指さしたのはゴミ箱。
隠すって...もっと場所あったでしょ...?
中を見れば本当に入っていた数々の写真。
なんでこんなことしちゃうかな...。僕ここまでしろなんて言ってないじゃん。
「突然どうしちゃったの?こんなことしたらダメじゃない。彼悲しんじゃうよ?」
「悲しむ?そんなことないですよ。私たち別れたんですから。」
「...は?」
別れた??どうして??あれだけ仲良かったじゃない。
脅迫した?いやいやしてない。別れてほしいとは思ってたけどそこまでしてないよ僕。
「で、そんなあなたに頼みたいことがあるんです。」
「ちょ、ちょっと待ってよ。今それ言う!?」
「あなたにしか頼めないことって言ったらどうします?あなたが愛する桐谷スバルが直々に頼みごとをしてるんですよ?」
何この子、別れた途端に気が強くなった。
「...わかったよ。で、僕は何をしたらいいの?」
「ここの気に入らない写真消してください。」
「待って。」
ここ。と指さしたのはスバルの公式SNS。その中の気に入らない投稿を消してくれと頼まれた。
そんなの自分で消せばいいじゃない。
たかが一般人の僕が触っていいものじゃないと思うけど。
「どうして僕なの?それくらい自分で消せるでしょ?」
「私じゃ判断できないものもあると思ったんです。それに私は知らない間にいろんな投稿であなたを傷つけた。
ってことはきっと他の人も傷ついたんだと思う。だから...傷ついたあなたに消してほしいんです。」
「...わかったよ。そこまで言うなら消してあげる。スバルにハート飛ばさなかったやつだけ消せばいいってことでしょ?簡単簡単。」
自分の端末と見比べて迷うことなく消していく。
いままでの恨みを晴らすような気分だった。
最初はなんてこと頼んでるだ...なんて思ったけど、実際やってみると楽しくて仕方がない。
いい仕事頼んでくれたね。スバルは。
「はい、これで全部だと思うけど?」
「ありがとうございます。」
「まさか僕に頼んじゃうなんてねぇ...。あとで後悔しないでよ?」
後悔なんてしませんよ。
スバルが僕のそばでそう言った。
僕のネクタイに触れ、ゆっくりと手繰り寄せる。
気づいた頃には鼻と鼻がぶつかりそうな距離にスバルの顔。
「好きです。足立さん。」
僕は今日
愛する君と
キスをした