「ごちそうさまでした。
じゃ、そろそろ私は。」
食事が終了しみんながおもいおもいの場所で寛ぐ中、上着とバッグを膝に乗せ、ジョージの元へと向かう。
「そろそろ帰るわ」
「え?」
ウィーズリー家のみなさんを見渡した。
「とても楽しく、とても美味しかったです。ありがとうございました。」
みんなの前でお礼を言うと、バッグや上着をもち椅子から立ち上がろうとすると、グイッと肩を押され再び椅子に腰掛ける。
「アリサ、今日は泊まって行きなさいよ。
ねぇママ、良いでしょう?」
「えぇ、かまいませんよ。
ただし、アリサに予定がないのなら。」
ジニーの言葉に、パチッとウィングするウィーズリー夫人に、目を丸くしながら、背後に立つジニーを見上げた。
「アリサ、泊まって。
部屋は狭いかも知れないけど、きっと楽しいわ。」
「Ms.アリサ、泊まっていけばいいわ」
「ね!お願い!」とジニーに手を合わされ、再びみんなに視線を向けると、暖かく微笑んでくれた。
そんな優しさが素直に嬉しくて、「お言葉に甘えて。」と頷いた。
今夜はジニーの部屋で、2人と一緒に寝ることになったのだ。
ホグワーツの時みたいに、まるで女子寮を思い出させるもので、いつしか私の心が、昔みたいにウキウキしていることに気が付いた。
ハーマイオニーが、バマジャマを貸してくれて、シャワーを浴びるとリビングで話をするウィーズリー夫妻に挨拶をし、二人が待つ2階へと階段を上がっていく。
今日は、楽しくて幸せなことばかりだった。
昔からの大切な友人に会えて、大切な人とも会えた。こんなに幸せな気持ちになったのは、いつ以来だろうか。
階段を登り切り、ジニーの部屋のドアを開けようとしたとき、グイッと手首を捕まれ、ドアにかけた手を止めた。
いきなりのことで、声を出すことなくゆっくり振り返ると、口の前で人差し指を立てて、「しーっ」と言っているジョージがいた。
…え、何。
彼の行動にポカンとしていると、ジョージは私の手を掴んだまま、さっき上ってきた階段を下りだした。
「…ジョージ?」
「そう。」
「どうしたの?」
「まぁ、ついてきて。」
言われるがまま彼について行くと、家の中ではなく、靴をはいて外にでてしまった。
冷えるから、と上着を肩にかけられてを引かれ庭をぬけ、水の音が聞こえるところまでやって来ると、ジョージは足を止めた。
「ジョージ?」
「あー、寒くない?」
「え?平気」
なんとなく複雑な表情を浮かべているジョージに、眉をひそめゆっくりと息をする。
「少し話をしよう」
「う、うん。」
ジョージに導かれるがまま、近くにあった岩に腰を下ろした。
そして、私たちはゆっくりと話をした。
戦争が終わった後のこと。私がいつから、ホグワーツにいるのか。家族の話。ジョージのお店の話。学生時代の武勇伝。
話は尽きなかった。
「僕は少なくとも君とはまだ恋人だと思っていたよ」
「え?」
いきなりジョージが発した言葉に、今まで静かに心地いい音を刻んでいた心臓が、いきなりうるさく激しく動き出す。ドクドクと苦しいくらいに。
彼を見てしまえば、真剣な表情をするジョージから、いつしか目が離せなくなり、私の頭は固まってしまった。
スッと私と彼の間を通り抜けた風は、体だけでなく、心の温度までも奪っていったような気がした。
「きっと会いに来てくれるんじゃないかって、思っていた。だけと情けないことに、僕は君の家を知らなかった。」
「」