炉にくべた体温さえ呪いだった
尸魂界が少しずつ復興に向かい、一護たちが現世に帰って数日たった。
旅禍との戦いで壊れた建物の建て替えが各地で行われる中、私は壊れた双きょくの端に立ち、ぼんやりと尸魂界の彼方を見つめていた。
何もかもが分かってしまうと、こんなにも怖かったことに初めて気が付いた。
死覇装以外で、一番隊隊舎に出向いた。
総隊長には、私が知り得た情報を全てお話した。志波海燕のことも、全て。
それを聞いて総隊長は何も言わなかった。が、きっと隠密機動にでも裏付けをとらせているだろう。
ぶわっと吹く風は、まるでこの世界を包む空気をすべて包み込みどこかに運んでくれそうな、そんな風のような気がした。
「こんなところにいたのか。」
「……よく、分かったね、ここにいるの。」
「あぁ。」
音もなく現れた白哉は、私の隣に並ぶとするりと指を絡ませる。
すると、冷たかった手がじんわりと暖かくなりはじめる。
「総隊長はなんと。」
「何も。
そうか、としかおっしゃらなかった。」
今後のこと。多分、私がどうするかを見極めるのためだろうか。
「そうか。」
「…じゃあ、これから時間はある?」
「あぁ。」
「じゃあ、少しつき合ってほしい場所があるんだ。」
そう言って彼を見上げれば、私を見下ろす彼の目に、疑問符が浮かんでいた。
それから途中で花を買い、線香を買い、瀞霊廷内建てられたら墓地にやってきた私は、端に建てられた墓の前で立ち止まった。
膝を押ってしゃがみ、墓前に花と線香を飾ると、静かに手を合わせた。
目を開けてチラッと隣を見れば、白哉も目をつむって手を合わせていた。
それから立ち上がって墓石を見つめる私に、白哉はそっと立ち上がり手を取った。
「お前の父と母が眠るこの場で、言いたい。」
「白哉?」
「これから、私とともに生きてくれないか。」
「…え?」
相変わらず無表情に私を見下ろす彼に、開いた口がふさがらない。
思いもしない言葉に、聞き間違いかと思うほど、驚いた。
なんの前触れもなく、いきなりそんなことを言うなんて、彼らしくない。
それでも、その目は真剣そのもので、私も意を決して彼を見つめた。
「…これからって、いつまで?」
「どちらかががこの世を去るまで。」
「…それって、一生じゃない。
一生、私といていいの?
人生損するかもよ。
洗濯も、裁縫もできない、うるさいし、口悪いし、可愛いげなんて皆無だし、態度でかいっ」
唇に、柔らかなしっとりとした感触が吸い付いて言葉を封じた。
「愚問だな。いくら挙げても、お前以上はいない」
そう言って、彼は私の手を引いた。
あ…。
なんて、思うひまもなく、そのまま私は彼の胸に飛び込んだ。フワッと香る香りは、優しく穏やかで、どこか安心する香りだった。
「約束する。
絶対あなたを置いてどこかに行ったりしない。」
そう言うと、グッと腕に力がこもったような気がした。
「当たり前だ。
二度は許さぬ。」
「うん。」