「今年も学祭のアンサンブル生徒会に頼まれたらしいよ」
「マジかー、やるのか今年も。」


「…あの、緋色先輩。
学祭のアンサンブルって、フラッシュモブ的に、いきなり演奏し始めるアレですか?」
「そー。
よく知ってるねー、1年。」

「も、もちろんです!有名ですから!あれに憧れてて青道入った子もいるほどです。」
「おー、マジか。
なんか、生徒確保に役立っちゃってるじゃん、うちら。」


リードをくわえながら、楽器を組み立てる清佳は、ニヤリと笑った。



「んじゃー、そろそろチーム割りが発表されるかもね。」
「チーム、ですか?」
「そ、アンサンブルチームは顧問の独断と偏見でパパッと決められて、それぞれのチームで練習するわけ。まぁー、何曲か適当に見繕ってね。」
「…独断と偏見…。」
「緋色、今年もサックス吹けよ」
「えー、今年こそクラで参加したい!」
「無理だろ。どうせ、去年と同じメンバーだって。」
「…緋色先輩、サックス吹けるんですか」
「それなりに」
「だからー、今年もうちらとコンツェルトだな。」
「マジかー…
そうだよねー、黒くてちっちゃいやつより、金と方が目立つよね…」
「悲観的になるな緋色。
お前だって輝ける時が来る。」
「何言ってんの、清佳。」
「っさいわ。ほら、さっさと練習するぞ」
「おー…あ、今年こそわたしソプラノで。」
「あーはいはい。」



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