傷跡
ふと目に入ったのは、里の南に掘られた火影の顔。左から4番目。
夢で見た兄そっくりの顔。

もうだいぶ昔のことなのに、夢であった兄は昔と変わらない笑顔で微笑んでいた。

復興に向かう里は、活気にあふれ窓から風に乗って笑い声が聞こえてくる。

きっと兄が守りたかったものがここにあるのだろうと思うのだ。


一度起きた私は、あれからまた一週間寝込んだらしい。一向に目を覚まさなくて、さすがに焦ったと聞かされた。

そして目を覚ました時、カカシの泣きそうな顔が時々頭をよぎる。




コンコンとノックされ、軋むドアが開き、現れたのはピンク色の髪の女性、というには若いのか、おそらく10代後半の女の子だ。

その佇まいは、誰かを彷彿とさせるのだが、気のせいだろうか。

「気分はどうですか。」
「お陰様で、だいぶ楽になりました。
ありがとう。」
「いえ。」

そっと手首に触れ脈を図る彼女は、手際よく血圧を測る。

「水瀬さん」
「はい。」
「どうしてあんな所に?」
「枝にいたって話?」
「はい」
「あまり覚えてないのよ、ここに来る前に何があったのか。なんで枝に引っかかるなんてことになったのか」
「そうですか」
「」
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