新マネージャー誕生
「衣織ー!!」
いてもたってもいられなくなって、マンションから飛び出して早30分。
生垣のレンガに腰を下ろし、目の前を通り過ぎていく景色をぼんやり眺めながら、仁花を待っていると遠くの方で私を呼ぶ声がして、ふと顔を上げた。
声の聞こえた方を見ると、仁花らしき女の子が、走ってくるのが目に入った。
私の目の前で止まると、ハァハァと苦しそうに手を膝について息を整えながら、「わたしね、わたしね!」と勢いよく顔を上げて興奮気味に話し出す。
「お母さんに言えたよ!バレー部のマネージャーやることにした!」
にっこりと嬉しそうに微笑んだ仁花に、私は尽かさず手を伸ばしポンポンと仁花の頭を撫でた。
「よく言った!おめでとう!」
「うん!!」
えへへっと笑う仁花の頭を撫で繰り返す。
良かったー…。
本当は内心ドキドキしてた。引き返して来たらどうしようって思ったら、部屋でなんて待てなくて、ここで待つ間大丈夫だと思っていても、不安で仕方なかった。
本当に良かった。
「さて、夕食の買い物行こうか。」
「うん!」