アイナナss



「なまえちゃん、これを見て」
「どうしたの壮五く・・・これは!」
mezzoが裏表紙を飾る最新号の雑誌。
「すごーい!とうとうmezzoが表紙をジャックしたんだね!」
「ありがとう。でも見てほしいのは表なんだ。・・・どう?」
どうって、と一緒にいた環は口にする。
「フツーにがっくんとてんてんと龍アニキじゃん」
「それはちがうよ環くん!なまえちゃん、どうかな?」
顔を上げた彼女は一言、
「・・・人か?」
と呟いた。
「そう!それ!そうなんだよ!分かるなあ」
「いや分かんねーし。フツーに人間だし」
「受肉した天使?もしくは羽を奪われた堕天使?」
「本当に神々しいよね・・・この雑誌、永久保存しか選択肢がないよ。むしろあの三人を永久保存したいくらい」
「壮ちゃんこえーよ」


「あ、なんかおいしそうなの食べてる」
「げ」
「なまえちゃん。よかったら一緒にどう?」
「いいの?」
「うん、作りすぎちゃったんだ。環くんが思ったほど食べてくれなくて」
「こんだけ頑張って食ってんのにそーちゃんそういうこと言うんだ」
「へーおいしそうだね。ありがとう、いただきます」
「言っとくけどぜってー後悔するから」
「環くん失礼なこと言わないでよ」
「・・・ッ!?、!?!?!!?」
「あーもうほら、言わんこっちゃない」
「どうかな?実は隠し味を多めに入れてみたんだけど・・・」
「隠れてない隠れてないから、めちゃくちゃ自己主張してるから」
「こっ、これなに・・・?ケチャップライスじゃないの・・・?」
「キムチチャーハンだよ。辛さが足りないと思ってデスソースを入れてみたんだ」
「ばかじゃねーの!?みんながそーちゃんと同じ味覚だと思うなよ!」
「かっ、から・・・!!ぐっ・・・」
「あーもうほら、水、水!」
「ご、ごめんねなまえちゃん・・・」
ガチャ
「お、なに食ってんだ?てなんだこの匂い!くさ!」
「うっ、すごい刺激臭が・・・あ、なまえさん・・・な、泣いてるんですか?」
「そーちゃんが泣かせた」
「逢坂さんなんてことを」
「ご、誤解だよ一織くん、三月さんも!」
「うっうっ・・・全部の粘膜が痛い・・・!」
「牛乳、牛乳飲め!ちょっとはマシになるから!まったく、壮五もこれからは人に食べさす時は刺激を控えること、いいな!?」
「はい・・・すみません・・・」





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