一本目の収録が終わって休憩時間。

裏道さんと詩乃さんは次の収録の為に衣装合わせがあるらしく死んだ顔でさっき連行されてくとこを見た。

次に使うセットを準備して一段落ついたとこで、いつもは楽屋で休んでる他の演者の人達が今日はスタジオの隅で何やら盛り上がっているのに気がついて。


「なまえさん!なまえさんもやってみませんか?」

「なにしてるんです?」

「ホクロ占いです!」

「ホクロ…」

「人相占いの一種で結構当たるみたいですよ」


爽やかに笑った池照くんがこちらに気づいて声をかけてきた。

この三人がどういう流れでその話題に行き着いたのかはわからないけど、面白そうだしとりあえず混ざってみる。
兎と熊の着ぐるみを着たままの二人と多分言い出しっぺであろうスマホを持った池照くん。
ホクロのある位置で人間性がわかる、という合コンにありそうなネタをなんとも珍しいメンバーで囲んだ。


「熊谷さんは胸でしたよね?えーっと胸にほくろがある人は、情熱的で愛情深い。家族や友人への愛情を大切にする人ですって!当たってますね」

「情熱的で愛情深い…?いや全然当たってなくね?」

「うるせえぞ兎。当たってるクマ」

「口調混ぜんなよこえーから!あ、俺は足の裏ね」

「足の裏はですね、あまり良くないほくろです。一生の間に多くの苦労を余儀なくされる場合もある、だそうですよ」


とてもニコニコ楽しげに読み上げる文章ではないが。

「当たってますか?」と首を傾げた池照くんに兎原くんが完全にKOされてしまったので、


「っ次!私見てほしいな、ホクロって何個かある場合どこの言えばいいです?」

「一番特徴的なやつでいいんじゃないですかね?」

「んーなら太腿で」

「太腿…」


「エロいっすね」と独り言のように呟いた兎の頭を熊が容赦なく叩いた。


「目標に向かって力強く進む勇気と情熱があるエネルギッシュな性格、ですって。どうですかなまえさん」

「なんか俺以外みんな良くね?なんで俺だけ不幸なん?」

「俺は兎原さんらしくて良いと思いますよ」

「もうやめてええ!」


兎原くんにトドメが刺さったとこで呼び出しがかかってしまい池照くんのを聞く前に強制終了。
あんまり当たってたかもわかないけど、なかなかに濃い休憩時間だった。

そそくさ仕事に戻ろうとしたとこで、負のオーラを放つウサオくんに肩を叩かれる。


「なまえさん、ちなみに太腿のどの辺にホクロあんスか?」

「え、なぜ?」

「教えてもらえたら立ち直れる気がする、せめて内側か外側だけでもぐえっ、」


クマオくんの強烈なパンチが再びウサオくんを直撃した。


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露草