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LINEの受信音で目が覚める。
冬の朝は随分と寒いし何より乾燥していて喉が痛い。
布団から肌を出さない様にスマホをとり、誰からだろうと画面をのぞき込む。
『緑川さんか、朝はやすぎやろ…』
今は朝の4時だ。
早朝にでも仕事が入ったのだろうか。
緑川唯さん、私の憧れの人だ。
出会いは正直忘れた。
髭は剃らないし洒落てるところもあまり見たことがないが、優しくてたまに格好いいのだ。
そもそも5歳ほど離れているはずなのだが子どもっぽいところが抜けていない。
それでも頼りになる人だと私は尊敬していた。
彼に仕事は何をしているのかと尋ねた事があったがはぐらかされた。
別に無理に聞きたいわけでもなかったので、私もぼんやりと流したことをよく覚えてる。
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今日の晩、遅くなるかもしれないがお前の家に食べに行っていいか
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3ヶ月ぶりの連絡だったのだが、元気そうで何よりだ。
『今日か、急やな』
彼からの連絡はいつもこんな感じだ。
彼は仕事が結構ハードらしく夜遅くにしか会えないし、外に一緒に出かけたことは殆どない。
1度水族館へ連れていってくれた時は嬉しさのあまり彼の腕を引っ張って歩いたものだ。
抱き枕にしているイルカさんのぬいぐるみはその時貰ったものだ。
私はスマホに目線を落とし大した用事もないので
「いいですよ、遅すぎたら寝ますからね」
と返しておいた。
ゴソゴソと布団を畳み、カーテンを開けると雨が降っているのがわかった。
『…緑川さんが来る頃はやんでて欲しいなあ』
今日は1限から力学の授業がある。
私は準備をするために重たい足を洗面所に向けた。
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