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『ごめんごめん先約が入ってんねん』
私は葵と大学の食堂でご飯を食べていた。
2限を終えると人がたくさん湧いてくるのでダッシュで席をとった私たちは勝ち組だ。
末「まさか…彼氏?男??」
葵が前のめりに問い詰めてくるので、私は少し後ずさりをした。
『か、彼氏やないよ』
柳「名前に彼氏がいるというデータはないが」
突然蓮二の声が聞こえたと思ったら私の隣に座っていた。
末「わぁびっくりした!!」
『普通に来なさい普通に』
柳「慣れてほしい」
末「なれるか!」
私は蓮二のこういう行動は中学時代に何度もやられてたので気にはならない。
むしろこれでこそ彼だ。
不「名前ちゃんとの彼氏疑惑の人、僕も気になあ」
白「どこの学部の人?」
いつの間にか不二くんと白石くんも席に着いていた。
『いやいや、ほんまにちゃうから』
末「でも男の人でしょ?」
『え』
柳「男か、との質問には否定していなかったからな」
『あ、は…は』
あー、このデータマンはそういうとこで揚げ足とってくるもんなあ
メンバーみんなの目線が私に集まる。
別に隠している訳では無いが、ここで名前を出してしまうと面倒な事になるのは分かる。
どうせおちょくられ続ける。
『私が憧れてる人。』
不「え、僕誘われてないよ」
『被害妄想は辞めるんだ不二くんよ』
ほら今でさえおちょくられてるぞ…雲行きが怪しい…
末「憧れてる人?好きな人じゃないの?」
『好きとかじゃないよ』
私は葵に笑って返した。
白「今日何する予定なん」
『家でご飯食べるだけ』
そういうとこ葵は顔を真っ赤にした。
なにか誤解を招いてしまったようだ。
末「え、晩御飯?お酒入るよね」
『そうやな、私はそんなキツいの飲まんけど』
白「名前ちゃんホンマにその人信用してる人やねんな?」
白石くんが凄く心配の眼差しで見てくる。どことなく母親を連想させる口調だ。
『うん、年の離れた友人みたいな人やから。』
柳「どんな仕事をされてる人なんだ」
『知らん』
不「え」
私が答えると皆の目が点になった。
なにか不味い事でも言ったか。
『聞いたことあるけど教えてくれへんかったな』
白「あかんやん!!その人信用出来へんて!」
『いやいやいやいや、ホンマにそういう人やないから』
不「それでも付き合ってない男性と二人きりで晩酌なんて危ないよ名前ちゃん。僕も心配だ」
『何回か家に呼んでご飯食べに来てるから配いらんで』
柳「おい、それは初めて聞いたぞ」
『初めて言ったもん』
葵はひゃーっと口を手で隠して嬉しそうにしている。
末「めっちゃ好かれてるじゃん!!!」
『あのなあ、…何でもかんでもそう繋げたあかんで』
その日私はもう授業がなかったので、さらばっ、と言って抜け出した。
スーパーにでも寄って帰ろう。
今日作るおかずは彼の好物春巻きだ。
3ヶ月ぶりに会うし仕事帰りだ、疲れているだろうからせめて美味しいご飯でも食べてほしい。
朝降っていた雨はやみ、晴天に変わっていた。
良かった。
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