ナイショの話

「おい十代いるか」

声の持ち主は部屋の主の返事を聞く間もましてやノックをすることも無く無遠慮にドアを開けた

「万丈目じゃん、十代ならいないよ」
「名字貴様またレッド寮に入り浸ってるのか」
「だってブルー寮より十代の部屋の方が居心地がいいんだもん」
「これではまるで十代と同居してるようだな」
「そう!十代と同棲してるの!」

「お前らなんの話ししてんだ?」

万丈目といつもの様に軽口を叩いていると、いつの間にか購買へパックを買いに行っていた十代が戻ってきたらしい。

「十代と私が同棲してるって話だよ」
「はあ?名前変な事言うなよなー」
「十代までひどーい」
「貴様らイチャイチャするなら出ていけ」
「いやここ俺の部屋なんだけど」
「そーだそーだ!サンダーが出ていきなよ〜!」
「名字!貴様……!」

万丈目をからかいすぎたのか色白の肌が怒りで赤みを帯びている。このままではめんどくさいことになると感じ私に残された手段はただ一つ 逃げ である。

「ごっめーん!私明日香に呼ばれてるからもう行かなきゃ!バイバイ!」

2人の返事を聞くことも無く足早にレッド寮から離れた。
だから

「貴様よくあんなじゃじゃ馬と同居なんてできるな」
「…ちげえし…同棲だし…」

なんて照れてる十代の真っ赤な顔なんて知らない



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