「「ぜぇ…はぁ…ぜぇ…はぁ……」」
運命を君と。
22.Favorite
女子集団に囲まれて、殴られそうになっていた名前を助けようと割り込んだ赤也は、何故か名前に引っ張られ、走ってどこか…というか部室裏へ連れて行かれた。
やっと名前の足が止まり、二人して息を乱してぐったりしていた。
「な、何するんすか…名前先輩……」
「だ、て…ワカメ君、キレそう、だったし…」
「んなの、当たり前じゃないっすか…!!
名前先輩が、あんな目に合うなんて…許せないっすよ!!!」
いきなり叫ぶように声を荒げた赤也に、名前はキョトンとした顔をした。
「ワカメ君…?」
「先輩は、俺のお気に入りなんすよ…だから、傷付いちゃ、ダメなんすよ…。」
「……………に、それ。」
「名前先輩…?」
「ぷっ……あっはは……!!!」
名前は口許に手を当て、いきなり笑い出した。
突然のことに、赤也は目を丸くしている。
「ちょ、何笑ってるんすか!?」
「お気に入りって、なにそれ…っ
ぷっあははははははっ」
「〜〜〜〜っっ
わ、笑いすぎっすよ!!!
いけないんすか…っ?」
「ごめんごめん…っ
いけなくないけど、さ…ちょっとびっくりしちゃって…っ」
目に涙を浮かべて笑っている名前に、赤也の胸が少し高鳴った。
拗ねるな拗ねるな、と赤也の髪をわしゃわしゃっとする名前。
顔に熱を帯びていくのを感じた。
「さっきね、ワカメ君が来てびっくりしてね、そしたらワカメ君がキレそうな雰囲気になってきてさ…ちょっとまずいなーっと思って、思わず引っ張ってきちゃったの。」
「……………。」
「ワカメ君、」
「…………っっな、なんすか…?」
赤也の頬に添えられた名前の小さな手。
「ワカメ君はさ、
感情の起伏が激しいからね、だから、すぐにキレたりしちゃうと思うの。
だけど、それで人を傷つけてしまうのは、ダメだよ。
誰かを傷つけたら、その分ワカメ君が傷つく。
助けに来てくれたのは、嬉しかったよ。
だけど、ワカメ君にも傷ついてほしくなかったから、その…ね?」
どうしてこの人は
「………………名前先輩、」
出会ったばかりの俺のことを
こんなに理解しているんだろう?
「あ、まだ言ってなかった!
さっきは助けてくれて、ありがとうございました。
…ワカメ君に助けられたの2回目だなー。」
さっきまでのとは違い、クスクスと笑う名前が可愛くて、赤也は名前に手を伸ばした。
「ワカメ、君…?」
「………その、ワカメ君って呼ぶの、いい加減やめて欲しいんすけど。」
「いやあの、その…………何故抱きしめる。」
「名前先輩が可愛すぎるんすよ。」
「いやいや意味わかんないから。」
「先輩……」
「な、何…?」
「キス、していいっすか?」
「………………………………は?」
抱きしめている手を緩め、顔を近付ける赤也。
「ちょ…ま……っ」
「何してんだよ、赤也。」
唇が触れる直前、後ろから聞こえた声に、停止した。
とても聞き覚えのある声。
赤也と名前は、恐る恐る振り向いた。
「ま、丸井先輩…」
「ぶ…ブン太……」
next.
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