「何してんだよ赤也。」
運命を君と。
23.Declaration
赤也が名前にキスしようとした瞬間、後ろから聞こえた、とても聞き覚えのある声。
2人が恐る恐る振り向くと、
「ま、丸井先輩…」
「ぶ…ブン太……」
ブン太がいた。
「なぁ赤也、何やってんだって聞いてんだけど。」
「いや、あの…」
今まで見たことないくらいに怖いブン太に戸惑う赤也。
「ぶ、ブン太…!!」
「なんだよぃ。名前。」
「ワカメ君は、絡まれてる私を助けてくれただけだよ!」
「今お前に迫ってたのにかよ?」
「今の、は…いやでもまだ何もされてなかったわけだし、ね!!」
「ぉぃ、名前…、」
必死になって、赤也を庇うようなことを言う名前。
なんでこいつは、こんなに必死なんだ。
なんで、自分に手を出そうとした奴を庇うんだ。
ブン太は、焦りと戸惑いを感じた。
「ワカメ君は何もしてないよ!!
今さっき何かしようとしてたとしても、結局してない。
ブン太も来てくれたから大丈夫!ね?」
「名前先輩…、」
「もう、戻ろっか。皆、心配してるかもよ!!
その……銀髪君とか?」
「ぁ……あぁ。」
手を出そうとした自分を、何故か庇ってくれた名前。
自分に怒りを感じながらも、名前の様子に戸惑っているように見えるブン太。
赤也は、この2人を見て、自分の考えが、自分の気持ちがわかったような気がした。
まだ定かではないけれど、そうなんだろうと思える、何か。
自分の先を行く2人を見て、赤也は小さく、声をあげた。
「………丸井先輩、」
「…なんだよぃ。」
「俺、名前先輩のこと、好きかもしれないっす。本気で。」
赤也の、真剣で、しかも、曖昧な表現をしているにも関わらず、自信があるような表情。
「…………………だったら、何。」
「俺、丸井先輩にも、他の奴らにも、負けたくないっす。
例え、婚約者候補だろうが、第一だろうが第二だろうが、出会った順番とかそんなの関係ないっすよ。
俺、名前先輩の婚約者候補になって、正式な婚約者になってみせます。」
「……………ふーん。」
赤也の婚約者宣言に、少し動揺したが、顔には出さず、ブン太は少し笑みを浮かべた。
「ま、せいぜい頑張れよぃ。
………俺も負けるわけにはいかねーけどな。」
負けるわけにはいかない。
それは、自分への、強い誓いでもあった。
そして、
その、仲間であり敵である候補者達が集う、
全国大会への強化合宿が
間近に迫っていた――――――
next.
<< title >>