「あれ?名前見っけ。」







運命を君と。
27.Promise







四天宝寺メンバーが荷物を置きに去っていった後、自分達も荷物を置きに行こうとした。


そのとき。


「名前ー!」

「うわああああああああああ」


いきなり名前を呼ばれたと思ったら背中に何かが抱きついてきた感覚。

聞き覚えのある声。
肩越しに見えるオレンジの髪。


山吹中3年 千石清純。



「………キヨ…」
「すっごく、会いたかったよ。」

「私は会いたくなかったけど」

「相変わらず連れないなーはは」

少し困ったように、でも嬉しそうに笑う千石。

「とりあえず離してください。」
「はは…めんごめんご。」

渋々と千石に解放されたが、今度は突然宙に浮いた名前。

「おい千石、てめぇ何してやがる。」
「お、あっくんも来たんだね〜」
「てめぇ…あっくんって呼ぶんじゃねぇよ」
「はははーオモシロいなぁ亜久津は。」
「仁…」
「久しぶりじゃねーの名前。」
「相変わらず目つきわr」
「犯すぞてめぇ」
「ごめんなさい」


仲のいい雰囲気を醸し出している3人。
そう、この2人もまた婚約者候補なのである。

「あ、みんな久しぶりだね〜」

亜久津と名前がじゃれている中、ようやく立海メンバーに気づいたのか、千石が近づいてきた。
明らかに不機嫌そうなブン太に少し苦笑いを浮かべて。

「はは、丸井クン目が怖いよー」
「名前にくっつきすぎなんだよ千石。」
「そんなこと言われてもねー」

「千石はまだしも、亜久津までもこの合宿に参加するとは、意外だったな。」
「いや、名前が参加すると知り、千石の策略により連れて来られた確率、97%」
「お、さっすが柳クンだねー」
「あの亜久津をも虜にするとは、さすがやのぉ。うちの姫さんは。」


「あ、見つけたですー!!」





大きな声が聞こえて、振り返ると、小さい少年がタタタッとこちらに走ってきた。

「ダ、ダダダダーン!
あ、亜久津先輩が女性の方と仲良くしているの初めて見たです…!」
「うっせぇぞ太一!」

「ご、ごめんなさいです!あ、あわわ…!」

亜久津に怒られ頭を下げた瞬間、頭のバンダナが下がりあたふたする太一。

「壇くん、呼びに来てくれたのかい?」
「あ、そ、そうです!
南部長が探してたです!」
「そっかそっか。
ん?名前、どうかした?」

太一を見つめて固まっている名前。
見られていることに気づき、太一が不思議そうに首を傾けた瞬間、名前が抱きついた。

「「「……!!!」」」
「なになにこの子!
むちゃくちゃかわいい!!」


キラキラとした目で太一を見つめる名前に呆然とする一同。
なにがなんだかわからず、太一はおどおどしている。

「あ、あああ、あの…っ」
「君、山吹の一年生?」
「は、はいですっ!」
「そうなんだー!
そのバンダナ仁にもらったのー?」
「は、はいですっ!!」

語尾に一々ハートが付いているかのように太一と話す名前。

「あ、あの!
あ、亜久津先輩の、か、彼女さんとか、ですか…?」
「………へ?」
「太一てめぇ…!」
「顔が赤いよー亜久津」
「殺されてえのか千石」
「はははー」

太一の純粋な疑問に照れた亜久津を千石がからかい、名前は呆然としていた。

「んと…ね、彼女ではない…かな?
私1年の頃に山吹にいたんだよー。」
「そ、そうなんですか!」
「うん。だから今の三年生はみんな知ってるかなー。」
「はっ!!そうです!南部長が呼んでるんです!」

「もう遅いぞ、太一。」

その声に振り向くと、山吹中部長、南がいた。

「あ、健ちゃん。」
「名前じゃないか!」
「相変わらず、地味だねー。」
「地味じゃないって!」
「す、すみませんです部長!」
「まぁしょうがないよな。
名前がいたんじゃこの2人がなかなか動かないよ。」
「…私のせい?」


南が立海メンバーの方に向かう。

「悪いな。この2人連れていくから。
合宿もよろしく。」
「ああ。」

「名前、合宿中だけど、空いてるときデートしようね☆」
「えー」
「千石てめえ黙ってろ」
「ひどいなー亜久津は。
亜久津だって名前とデートしたいだろ?」
「な…!」
「んー…考えとく。」
「ラッキー!約束だよ!」
「はいはい」

「…名前、あの約束忘れてねーよな?」
「んーなんのことー?」
「とぼけんじゃねーよ」
「ごめんなさい」


「名前ー!行くぞー。」
「あ、はーい。」

ブン太に名前を呼ばれ、名前は立海メンバーの方に向かおうとしたが、振り返り、笑顔を向けた。

「清純、空いてそうなとき連絡して。
仁も、連絡してね。一緒に食べようね、モンブラン!」

「…!」
「やったね!絶対連絡するよ。」
「うん!じゃあ後でねー!
健ちゃんもバンダナくんも、またね!」

そして立海の皆のもとに走っていった。

「2人とも、顔赤いぞ。」
「あの笑顔は反則でしょー。
あーもー可愛い。
…って、亜久津、なーに固まってんの。」


亜久津の反応を見て、やれやれと苦笑しつつも、愛しい人との約束と、しばらく一緒にいれるという嬉しさ、あの愛しい笑顔を思い浮かべて、千石は微かに笑ったのであった。





「バンダナくん…って、僕のことですか?」
「多分…そうだろうな。」


next.

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